内容説明
『人間失格』『不思議の国のアリス』『ロリータ』…。名著と言われている作品は読者を「異常の世界」へ引き込む危険な本だった!東大教授が35冊の名作をとりあげ、そのアブなさを徹底解説。
目次
第1章 死の誘惑
第2章 異界の迷宮
第3章 揺らぐ自我
第4章 迷走する狂気
第5章 性と暴力
第6章 官能の深淵
第7章 背徳と倒錯
著者等紹介
石井洋二郎[イシイヨウジロウ]
1951年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。フランス地域文化研究専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なる
26
読書ではなく毒書、要は精神衛生上よろしくない本って意味である。本書では精神を形成する上であまり役に立たないどころか悪影響を及ぼすであろう古今東西の作品を紹介するという、非常に悪趣味な提示をしてくれている。挙げられる作家には文豪ばかりで名作も多くある。読むも読まないも読者の自由だけれど。紹介されていた作品のうち1/3くらいは既に読んでいるけれど、残りはまだ読めていない作品も多く、さて毒書としてこれから手に取るべきか、なるべく避けるべきか、それが問題。だけどなぁ、毒を食らわば皿までって言葉もあるんだよなぁ。2024/02/05
kikuchista
15
読みたい本を探して読んだ本。何冊か読む本が見つかって良かった。人生に本が無かったら、退屈で退屈で堪らないだろうと思う。2016/03/08
中年サラリーマン
12
健全ではないところがよい。下品でもないしね。若者に読ませたいかな。僕が学生時代に読んでいたら何らかの影響をうけているかもしれません。もちろん、30超えて読んで人生狂わせるのもまた一興でしょう。ただ、人生を狂わせるだけの豊かな感受性というものは必要です。2013/12/29
サアベドラ
12
人生に悪影響を与える(かもしれない)色々な意味で刺激的な文学作品35作を紹介。著者はロートレアモンの翻訳などで知られるフランス文学者。もともとは東大の教授達が作った読書案内『教養のためのブックガイド』(東大出版会)のなかの一章で、それを大幅に加筆修正して一冊の本にしたのが本書。紹介されている本はどれもどぎついものばかりで、確かにこんな本ばっかり読んでたら頭のどっかがおかしくなりそうではある。いつかはここに紹介されている本をすべて読破したいものです。今すぐは無理だけど。2013/10/30
medaka
7
読済みだった大岡昇平著「野火」。自分にとってまさに読んではいけなかった一冊ではなかったかと、今更後悔。この本を読んで以来、心の奥にじんわりと巣くっている【何か】が確実にある。その【何か】はこの先もずっと自分に染み付いていき、永遠に薄まる事はないんだろうなぁと思う。まぁもう諦めてるけど。 全35冊。興味深いタイトルが多数あったが、正直手を出すのが怖い。手を出したが最後、もう後戻り出来なさそう。でも…やっぱり読んで(ry ふと思ったんですが、本書自体、「読んではいけない本」だったんじゃないかな?2010/07/05