内容説明
このウイルスに感染した人間は体中の孔という孔から血を流して“炸裂”する―致死率90%アフリカの密林にいるはずの怪物が、なぜアメリカに出現したのか。人類最大の脅威を白日の下にさらす戦慄のノンフィクション。
目次
第1部 エルゴン山の影
第2部 モンキー・ハウス
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
79
ずいぶんと昔に読んだ本。ひとたび感染すれば全身から出血し死に至る、しかもその致死率は50%を遥かに超えるというエボラ出血熱。実にショッキングな事実でした。現在でも時々感染が起こる。あまりにも致死率が高い為に逆に感染が拡大しないのがせめてもの救い。もしこれが何かの変異で感染力が拡大したら……。想像するだけで恐ろしい。★★★★
p.ntsk
50
今現在西アフリカで猛威をふるい世界的な脅威になっているエボラ出血熱。発刊当時読みましたが今読んでも全く古さを感じません。現在進行形のシナリオが書かれているようです。しかもノンフィクションだということに恐怖を感じます。でも現実の状況は描かれている内容よりもさらに深刻。根本的かつ即効的な対策がたちづらいだけに今後いっそう世界的な問題として対処していく必要性を感じます。2014/11/08
パトラッシュ
36
最初に読んだのはエボラという奇妙な伝染病がアフリカで発生したと聞いた前世紀。致死率90%という病魔に襲われた人たちの悪夢のような最後と、ワシントン近郊で発見されたウイルス制圧に送り込まれた米陸軍スワットチームの戦いぶりは、ノンフィクションながら小説のように面白かった。四半世紀ぶりに新型コロナ流行の今読み返すと、実態のわからない何かが私たちの周囲に侵攻してきている状況と重なった恐怖が増してくる。このリアルな恐怖こそ本書を読ませる力であり、コロナウイルスに怯えるしかない自分たちと重なってしまう。(下巻に続く)2020/04/23
ntahima
33
【再読】初出94年。初版一読。当時、相当に話題になった本。エボラが初めて発見されたのは76年であるが、その病名が日本で知られるようになったのはこの本の出版がきっかけ。【第一部】同じフィロウイルス科のマールブルグ熱(致死率25%)、エボラ・スーダン(50%)、同ザイール(90%)の発生経緯が語られ、P140-144にかけては全身が急激に溶解・炸裂する凄まじい病症が克明に記されている。【第二部】ワシントン近郊のサル検疫所でサル出血熱とおぼしき症状のサルが多数発見され検査が行われるが、その結果、最悪の事態が..2012/03/08
kinkin
30
久しぶりに読んだ。ノンフィクションというのがとても恐い。エボラウィルス、最近もアフリカで発生しているようだが、人や動物の移動がどんどん早く便利になっている反面、このようなウィルスが大都会で発生するリスクはとても高いと思う。一気読みで次は下巻へ続く2014/04/06