内容説明
秋田の花柳界・川反の“リビングレジェンド”が語る、あの日、あの時代。「シリーズ時代を語る」特別編。名妓一代、夜の秋田に華を添えて。小松和彦氏による解説「秋田美人と川反芸者」収録。
目次
名妓の「母」に引き取られ(川反の伝統を後世に;記憶に残るイモの味;十歳で芸者に預けられ;川反の名妓が「母」に:「花代上げて」とスト;傷ついた「芸者の子」;中三で舞妓修行開始)
舞妓時代(独りぼっちのデビュー;お金の顔は見せない ほか)
川反芸者、有為転変(抜き打ちで芸を試す;顔をそむけ鈴たたく ほか)
花柳界復活への想い(伝えたい「酒の秋田」;芸と共に川反を託す)
著者等紹介
浅利京子[アサリキョウコ]
若勇。2005年、秋田岡本新内の伝承、普及により「けやき賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミス レイン
8
昨年末81歳で勇退された若勇さんの記。自分史のようでありながら、舞妓、芸妓としての彼女の目から見た秋田市の現代都市への歩み、川端の花街から歓楽街への移り変わり、接待の変化等、お役所の市史からは零れ落ちるであろう風俗や地史としての資料価値も高い。花柳界を出たり入ったりしてもいるが色ではなく芸を売る川端芸者の誇りが通奏低音のように貫かれている。口減らしのために置屋に預けられたところから始まるのだが私の親とは5歳違い。戦後の食糧難の時代のことと思うが、そういう話もまだそんなに遠くの話ではないことに驚いた。→2024/01/14