内容説明
昭和30年。東京の養育院で暮らす16歳の小百合は呆然とした。自身が元華族・雪宮家から誘拐された令嬢だと告げられたのだ。当主で双子の姉でもある撫子の暮らす御殿場に身を寄せた小百合。孤児から令嬢へと一変した生活に戸惑いつつも、撫子との距離をゆっくり縮めていく。そんな雪宮家には時折思わぬ客が訪れる。その理由は代々の当主が蒐集してきたいわくつきの美術品にあるようで…?
著者等紹介
白川紺子[シラカワコウコ]
三重県出身。同志社大学文学部卒。雑誌cobalt短編新人賞に入選の後、2012年度ロマン大賞(現ノベル大賞)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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涼
55
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2025/10/post-8d929f.html 表紙、ずいぶん昔むかーしに読んだ少女小説のような雰囲気ですが、中身はかなりシビアで厳しいものだでした。2025/10/24
ひさか
36
2025年8月千夜文庫刊。書き下ろし。子爵夫人の再婚、鳥啼き魚の目は泪、秘密の花園、の章で構成。昭和30年という設定に、16歳の撫子と小百合、執事の橘、闇市から成り上がった戸田等の登場人物が面白い。当主という立場に立った撫子の事件解決に至る振る舞いが凛として痛快。回を重ねるごとに小百合との連携がしっかりしていくところが楽しい。2025/09/30
はなりん
23
戦後の日本、昭和30年。この時代のお話はあまり読んでなかった。赤子の頃攫われ養育院で暮らす小百合が、実は旧華族雪宮家のご令嬢で双子の姉撫子が当主であることがわかり、一緒に暮らす事に。屋敷の離れにいわくつきの美術品などを収蔵した美術館があり、そのコレクションを巡る客人達との交流や事件を双子姉妹で解決していく。生粋のお嬢様だけど当主として凛とした姉と、孤児として育ち行動力のある妹の初めましてから、徐々に家族としてゆっくり距離を縮めて行く様子が良き。姉妹と暖かく見守る使用人達が素敵。2025/10/04
ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪
15
双子姉妹によるアンティークミステリー。元華族の雪宮家にはいわつきの美術コレクションがある・・。まだ子供相手につきまとう大人の金持ちはダメダメばかりだわ。光子さんだけ女傑感がさえてる。叔父様たちはお金のためにいい顔ぶって大人げないわ。著者は千夜文庫でもまた出して欲しい! 2025/10/28
豆乳くま
15
白川さんの新シリーズ。いつもとちょっと違う雰囲気だけどいつも通り。安定感の可愛らしさ。2025/09/09




