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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
水蛇
4
傷つきやすさを隠さないうつくしい本。ヨーロッパの蚤の市で1枚¢50くらいで売られてる古いポストカードでよく見かけるようなデザインの表紙が似合う、遠いお手紙みたい。ナチスによって二度ともどれない土地になってしまったベルリンに向かってベンヤミンが囁くのを聞くように夜のベッドで読んだ。失われた故郷への愛惜というにはのびのびしてるし、その屈託のなさこそが更新されることなく永遠に保存されつづける原風景というものを教えてくれる。だけど悲しい文章とは思わない。こんなにも傷つきやすい心を衒いなくひらいて見せる言葉に耳を傾2026/06/06
n_kurita
4
ハン・ガンの『ギリシャ語の時間』に「君は哲学をやるには文学的すぎるよ」とあり、それを読んだとき私はベンヤミンを思い出していた。ベンヤミンは哲学というにはあまりにも文学的すぎ、詩情にあふれている(翻訳の良さもあると思うが)。特に解説で披露された欄外のテキスト、「ずっと口に出されなかったことで、そうした名は擦り切れ、透明になった」と言う部分。「マラルメの詩の言語領域に比肩する」と。ああ、逆にマラルメを読んでいないが!そうなのだろうと!思わずには居られない。私にとって彼は文学者であり、詩人でもあるのだから.2025/11/02
motoshimon
1
ベンヤミン『1900年ごろのベルリンの幼年時代』田邉恵子訳(春風社)を読む。幼い頃バルコニーから眺めた中庭が都市のあちこちに見えてくる。それは「内向的な思い出」ではなく「他者と共有する物語」なのであった。想起とは自分が消えて背景が共有されることなのだ。綺麗な装丁と練られた内容の本だ。こんな幼年時代をいつかは自分でも描いてみたい。こんどの新刊『ソーシャル・セルフ 社会関係自我』でも何人かは試しているかな。2026/02/13
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