内容説明
「アフリカの角」の地域大国エチオピアにおいて、1991年から28年間にわたり政権を握ったエチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)。政権発足当初は期待をもって国民に迎え入れられたにもかかわらず、その期待が疑惑や失望へと変質したのはなぜなのか。その遺産は繁栄党政権にどのように受け継がれたのか―日本人研究者たちが、この政権期に構築された政治・経済・社会体制を総括する。
目次
第1部 EPRDF政権の民族連邦制・革命的民主主義・開発主義(エチオピアにおける民族連邦制と革命的民主主義(石原美奈子;眞城百華)
開発主義国家の誕生(宮脇幸生)
言語政策―学校における教授言語に注目して(利根川佳子)
マスメディアとNGOセクター(利根川佳子))
第2部 エチオピアの民族連邦制―そのおこりと行方(ティグライ人民解放戦線によるティグライ支配の構図―内戦期の遺産と課題(眞城百華)
「アムハラ」民族の再形成―民族ナショナリズム台頭の背景(児玉由佳)
オロモ民族主義の過去・現在・未来―民族連邦制の功罪(石原美奈子) ほか)
第3部 開発政策と人びとの生活の変化(周辺民族にとっての国家の諸相―西南部の農耕民マロとEPRDF政権を中心に(藤本武)
力の政治文化と困窮するくらし―EPRDF政権下での牧畜社会の経験(佐川徹)
新たなコモンズと資源管理システムの生成―エチオピア西南部農牧民ツァマコの事例から(宮脇幸生))
著者等紹介
石原美奈子[イシハラミナコ]
南山大学人文学部・教授。文化人類学
眞城百華[マキモモカ]
上智大学総合グローバル学部・教授。エチオピア史、アフリカ研究
宮脇幸生[ミヤワキユキオ]
大阪公立大学・名誉教授。文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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