内容説明
1950‐60年代の商業詩雑誌「詩学」「現代詩」「ユリイカ」「現代詩手帖」は、さまざまな特集を組み、詩の進むべき道を切り拓いていった。そうした「詩壇ジャーナリズム」の時代を生きた詩人たちは、どのようにしてみずからの詩を構築したのか。また、詩人たちの問題意識は「詩壇ジャーナリズム」にどう導かれたのか。綿密な調査により、戦後詩から現代詩への展開を当時の社会的状況とあわせて捉え直す。
目次
第1部 近代詩人とメディア(宮沢賢治と『アラビアンナイト』―『春と修羅』収録詩篇を中心に;中原中也と安原喜弘―一九三五年四月二九日付書簡をめぐって)
第2部 戦後詩から現代詩へ(「荒地」というエコールの形成と鮎川信夫「現代詩とは何か」;近代詩人の死と空虚―鮎川信夫「死んだ男」の「ぼく」と「M」をめぐって;谷川俊太郎の登場、その同時代の反応と評価―『二十億光年の孤独』刊行のころまでの伝記的事項をたどりつつ ほか)
第3部 詩壇ジャーナリズムのなかの詩誌「現代詩」(新日本文学会と「現代詩」;新日本文学会から現代詩の会へ―「現代詩」・一九五八年;「現代詩」と関根弘―一九六〇‐六二年の雑誌の展開と安保闘争の関わりを中心に ほか)
付録
著者等紹介
加藤邦彦[カトウクニヒコ]
駒澤大学文学部教授。1974年生。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。早稲田大学文学部助手、梅光学院大学文学部専任講師、同准教授、佛教大学文学部教授、駒澤大学文学部准教授を経て、現職。専門は日本近現代文学、特に近現代詩(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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