出版社内容情報
【目次】
内容説明
見えない誰かが、あなたのそばで泣いている。存在感を失い、誰にも気づかれずに生きる“ビスケット”。壊れやすく、かすかな音や気配だけを残して、ひっそりと息をひそめている。過敏な聴覚を使ってビスケットを見つけられる少年・ジェソン。ある日、かすかな気配を感じ取り仲間たちと救出作戦を開始するが…。見えない存在との不思議な交流と冒険の物語。韓国ウィズダムハウス社 第1回ファンタジー文学賞・青少年部門大賞受賞。十代の投票により出版され、全世代に反響を呼んでいる話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
91
韓国YA。「ビスケット」とは、周囲からいじめられたり無視されて、あるいは気が小さいせいで仲間はずれにされて、自尊心が傷つけられ人前に姿を現す勇気を失い、透明人間のように見えなくなってしまった人のこと▽音強迫症、聴覚過敏症、音恐怖症の疾患をもつソン・ジェソンは「ビスケット」を見つけることができる。ビスケットを救うことが自分の役割だと信じ、消えてしまいそうな人に声をかける。両親や医者はそれを妄想だと決めつけ、ジェソンは病院に入院させられた▽存在感の薄い人はいる。幽霊ではなく透明人間の話。2025.7刊2025/10/04
shio
26
他人の目に映らないほど存在感をなくし、壊れやすい人たちを「ビスケット」と呼び、彼らを守るべく加害者に「復讐」する高校生ジェソン。彼自身も音に対する過敏症、恐怖症を持ち、入退院を繰り返す。純粋な正義感、豊かな感受性、結果を顧みない判断力の甘さが若さならでは。虐待を受ける「ビスケット」のために起こした行動と過ちとは!?最後まで目が離せない展開!若者の心の弱さや痛みを、鮮やかかつ軽やかに切り込んでくる。ニガテな海外文学だけど読みやすかった!時折出てくる韓国文化も新鮮で楽しく、韓国に興味を持つきっかけになりそう。2025/05/26
まる子
24
自分の周りに「誰にも相手にされず、存在感がない」人はいるだろうか。その人は周りに気づかないように透明になる。そのような人を「ビスケット」と名前をつけ、それを助けるために立ち上がる少年たち。ビスケットを大人の暴力や虐待から助けるのは自分もその気持ちがわかるからだ。あなたの周りに透明で見えない子供はいませんか?もしいたら、優しく声をかけてあげてください。「きみは十分愛される価値がある子だよ」と。そうしたら見えてくるかも。あとがきより、韓国の十代の投票により出版されたこの続編が出る予定らしい。2025/09/11
星落秋風五丈原
23
ビスケットなんてかわいい呼び名だけど誰の目にも止まらない透明な存在のこと。各国共通の問題。2025/10/24
とも
14
韓国発のヤングアダルト小説。存在感を失い誰にも気づかれない「ビスケット」。主人公ジェソンだけそれが見える。 ビスケットは隠喩なんだろうが、作中ではビスケットはビスケットというものとして存在しており突っ込んだことは描かれない。 韓国を擬似体験してる気分で読んだ。2025/08/08




