出版社内容情報
東京中野物語2022文学賞発
純愛100%のラブストーリー
友達0人の陰キャ高校生・橘海人は、「人の心に棲みつく魚が見える」という能力を持っている。魚を通して相手の気持ちや人となりがわかってしまうため、対人関係が苦手だったのだが、ひょんなことからクラスメイトの桜庭澄歌と仲良くなる。友達として次第に彼女に惹かれていく海人。
そんな中、二人の前に魚を食べて回る巨大なクジラが現れる。澄歌の魚も狙われ、守りたいと思う海人だが、その矢先に能力を失ってしまう――。二人は鯨を止めるため、夏祭りの夜にある作戦を立てる。果たして海人は澄歌と魚を守ることができるのか?
内容説明
友達0人の陰キャ高校生・橘海人は、「人の心に棲みつく魚が見える」という能力を持っている。魚を通して相手の気持ちや人となりがわかってしまうため、対人関係が苦手だったのだが、ひょんなことからクラスメイトの桜庭澄歌と仲良くなる。友達として次第に彼女に惹かれていく海人。そんな中、二人の前に魚を食べて回る巨大なクジラが現れる。澄歌の魚も狙われ、守りたいと思う海人だが、その矢先に能力を失ってしまう―。二人はクジラを止めるため、夏祭りの夜にある作戦を立てる。果たして海人は澄歌と魚を守ることができるのか?
著者等紹介
文月蒼[フミズキアオイ]
1995年、北海道生まれ。かに座、A型。「東京中野物語2022文学賞」最終選考作品にノミネートされた本書がデビュー作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
めぐ
5
人の周りに魚が泳いで見える異能力者の少年の、一人海に沈んで過ごすような孤独感。彼を気にかける美少女。人の心の澱みと魚の関係性。具現化した心象風景の一端が魚の姿で現れているのだろうか。水族館の水槽の中で息をしているような不思議な世界観に繊細な青春が溶け合い、夏に涼しげで少し物悲しい。幻想的なファンタジーロマンスは今の気分にピッタリでとても満足出来た。もし作中ですれ違ったら彼の瞳に映る自分はどうであろうかと想像したりもして楽しんだ。私ならば多分、シーラカンスを連れているような気がする2024/07/09
色素薄い系
2
映像で見たら綺麗に見えそうだなと思った反面そうすると橘視点の時は常に桜庭さんの顔が見えないんだよな、と思った。2人の関係が変化していく部分は良かったけど、結局クジラは何だったんだ?という謎が残った。橘のクジラは小さいとか言われていたのも何だったの?見える人に何らかの変化があると魚の代わりにクジラが出てくるのだろうか。巨大クジラに他人の魚を食べさせていた男も最終的にどうなったんだというのが分からないので色々中途半端だった気がする。2024/07/16