出版社内容情報
春樹文学、その核心と起源とは?
文学批評の新たなる可能性。
第三の新人(吉行淳之介、小島信夫、安岡章太郎、庄野潤三、長谷川四郎、遠藤周作)を春樹文学と比較し、新たなる再評価を試みる。
同時に、村上春樹文学の起源を第三の新人とそれを遡る戦前の自然主義に求め、春樹文学の核心と起源に迫る。
?村上春樹文学の起源に関する考察や議論はあまりなかった。伝統と切り離され、突如現れたポストモダン的なものと認識されているところもある。しかし、村上文学は第三の新人たちの文学に大きな影響を受けている。その全容を明らかにする。
? 村上春樹は『若い読者のための短編小説案内』のなかで、第三の新人らの文学について詳細な考察を行っている。村上春樹の第三の新人への強い興味を示すものである。また村上春樹によるそうした考察自体が図らずも村上自身の文学観や創作方法を語るものでもある。本著は、『若い読者のための短編小説案内』を通して村上春樹の創作方法と文学観を明らかにする。
? 第三の新人(吉行淳之介、小島信夫、安岡章太郎、庄野潤三、長谷川四郎、遠藤周作)への従来の評価は高くない。本著は上記の計六人の作家を村上春樹文学との比較を通して新たな再評価を試みる。
? 村上春樹文学の起源を第三の新人とそれを遡る戦前の自然主義に求める。こうした系譜から、春樹文学を「心的リアリズム(内的リアリズム)」による「私小説」の一種であると再解釈する。
【目次】
はじめに
第1章 吉行淳之介
第2章 小島信夫
第3章 安岡章太郎
第4章 庄野潤三
第5章 長谷川四郎
第6章 遠藤周作
あとがき
索引
【目次】
はじめに
第1章 吉行淳之介
(1)春樹の「水の畔り」論について
(2)「人形を焼く」、心的エネルギー、感染と転移
(3)「水族館にて」、「鳥獣虫魚」、世界没落感
(4)「原色の街」、「娼婦の部屋」、癒しの空間
第2章 小島信夫
(1)春樹の「馬」論について
(2)「洪水」、「棲処」、家と自我、平屋と二階建て
(3)「鬼」と吃音、疎通と渋滞
第3章 安岡章太郎
(1)春樹の「ガラスの靴」論について
(2)「蛾」と自我、耳の異変
(3)「ジングルベル」、「野の声」、幻聴、憑依
第4章 庄野潤三
(1)春樹の「静物」論について
(2)「メリイ・ゴオ・ラウンド」、「噴水」、虚無主義
第5章 長谷川四郎
(1)春樹の「阿久正の話」論について
(2)「鶴」、境界の消滅、自我の崩壊
第6章 遠藤周作
(1)宗教と自己、怪奇と自我
(2)自我と幽霊、怪奇と事実
あとがき
索引
内容説明
第三の新人(吉行淳之介、小島信夫、安岡章太郎、庄野潤三、長谷川四郎、遠藤周作)を春樹文学と比較し、新たなる再評価を試みる。同時に、村上春樹文学の起源を第三の新人とそれを遡る戦前の自然主義に求め、春樹文学の核心と起源に迫る。
目次
第1章 吉行淳之介
第2章 小島信夫
第3章 安岡章太郎
第4章 庄野潤三
第5章 長谷川四郎
第6章 遠藤周作
著者等紹介
南富鎭[ナンブジン]
1961年~。大韓民国慶尚北道出身の文学研究者。専門は日本近現代文学、日韓比較文学、植民地文学、松本清張、村上春樹、北海道文学など。慶北大学校国語国文学科卒業。高等学校の国語(韓国語)教師を経て、1990年に日本文部省国費留学生として来日。筑波大学大学院文芸言語研究科で博士号(学術)を取得。日本学術振興会外国人特別研究員。早稲田大学、筑波大学で非常勤講師を勤める。2003年より静岡大学人文社会科学部助教授。2006年より同教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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