出版社内容情報
ラテンアメリカ文学ブームを先導した巨匠、最晩年の長篇
嘘が真実になり、ラテンアメリカを変えた─。
冷戦期グアテマラで展開される、権謀術数渦巻く国際政治の闇を複眼的に描いた傑作。
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1954年、グアテマラ。CIAを通じて米国の支援を受けた軍事クーデターが起こり、貧困にあえぐ国民を救うべく10年にわたって農業改革を進めたハコボ・アルベンス政権が崩壊し、カルロス・カスティーリョ・アルマスを大統領とした独裁政権が樹立されたが、その背後では、「グアテマラが共産主義国になってソ連の海岸堡になる」という?の情報がメディアに流されていた――。現実は、?によってかくも歪んでしまうのか。米帝国支配の暴力性を言語化し、ありえたかもしれない歴史を描く、ノーベル賞作家が今日の世界に遺した傑作長篇。
【目次】