出版社内容情報
映画黄金期に燦然と輝く作品群の、卓越した音楽技法を詳解。
登場人物を引き立たせるライトモチーフ、実験的なコントラプンクト……『姿三四郎』から『赤ひげ』までの23作品にちりばめられた仕掛けが、映画音楽評論の第一人者によって説き明かされる。ファン必携の力作!
黒澤のなかには映画音楽への抑えられない想いがあった。もっと機能的に、もっと貪欲に、もっと有効に使いこなしたい、という欲望である。(中略)早坂が夭折したのち、黒澤は彼の弟子にあたる佐藤勝と引き続き映画における音楽の在り方、あるべき姿、目指すべき形、映画音楽がどれほど観客の情動を刺激するものか、これらを追求していく。――「はじめに」より