喉に棲むあるひとりの幽霊

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喉に棲むあるひとりの幽霊

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  • サイズ 46判/ページ数 296p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784867930403
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

アイルランドの俊英詩人による、鮮烈な散文デビュー作。

18世紀に実在した詩人と著者自身の人生が入りまじる、新しいアイルランド文学。



「数年に一度の傑作。ジャンルや形式の明確な定義をことごとく消し去った」

《アイリッシュ・インディペンデント》



恋をした。その人は18世紀の詩人だった――。

殺害された夫の死体を発見した貴婦人アイリーン・ドブ・ニコネル(18世紀アイルランドに実在)は、その血を手ですくって飲み、深い悲しみから哀歌(クイネ)を歌った。アイリーン・ドブの詩は何世紀にもわたって旅をし、3人の子どもと夫とともに暮らす、ある母親のもとにたどり着く。家事、育児、度重なる引っ越しの両立に疲れ果てた彼女は、自身の人生と共鳴するアイリーン・ドブの世界に夢中になり、やがて彼女の日常を詩が侵食し始める――。

他者の声を解放することで自らの声を発見していく過程を描き、《ニューヨーク・タイムズ》ほか各紙で話題となった、日記、哀歌、翻訳、詩人たちの人生が混交する、異色の散文作品(オートフィクション)。



◎ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞ほか受賞

◎ラスボーンズ・フォリオ賞 最終候補

◎「18世紀にアイルランド/イギリスで書かれた最高の詩」とも称される『アート・オレイリーのための哀歌』の全編訳付き

内容説明

殺害された夫の死体を発見した貴婦人アイリーン・ドブ・ニコネル(18世紀アイルランドに実在)は、その血を手ですくって飲み、深い悲しみから哀歌を歌った。アイリーン・ドブの詩は何世紀にもわたって旅をし、3人の子どもと夫とともに暮らす、ある母親のもとにたどり着く。家事、育児、度重なる引っ越しの両立に疲れ果てた彼女は、自身の人生と共鳴するアイリーン・ドブの世界に夢中になり、やがて彼女の日常を詩が侵食し始める―。他者の声を解放することで自らの声を発見していく過程を描き、“ニューヨーク・タイムズ”ほか各紙で話題となった、日記、哀歌、翻訳、詩人たちの人生が混交する、異色の散文作品。ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞ほか受賞。ラスボーンズ・フォリオ賞最終候補。「18世紀にアイルランド/イギリスで書かれた最高の詩」とも称される『アート・オレイリーのための哀歌』の全編訳付き。

目次

ある女のテクスト
液体の響き
ここではないどこかで呼吸する
ミルキング・パーラーにて
非科学的な混ぜこぜ
あの解剖室
冷たい唇に冷たい唇を
地下牢・忘却
泥のなかの血
ぼやけたふたつの道
ぽとん。ぽとん。
前兆―飛行機とホシムクドリ
表面を粉々にする
いま、あのころ
連なる影
野生ミツバチと発泡する好奇心
ぼやけたハリエニシダ

著者等紹介

ニグリオファ,デーリン[ニグリオファ,デーリン] [N´i Ghr´iofa,Doireann]
アイルランドの詩人、著作家。アイルランド語と英語の2カ国語で執筆し、本書のほかに詩集を6冊出版している。詩集『Clasp』(2015)はアイルランド文学ルーニー賞とハートネット詩賞を受賞、アイリッシュ・タイムズ詩賞の最終選考に選出された

吉田育未[ヨシダイクミ]
英日翻訳者。佐賀県出身。トロント大学修士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

55
最愛の夫を殺した者への復讐を誓う詩を謳いながらも男性の陰に隠れてしまったアイリーン・ドブの人生。それと子育てや家事で果たされる「女性らしさ」に満足していた作者と響き合う。作者が自分の時間を持つことに罪悪感を持つが余り、to doリストの削除に満足感を覚え、母乳を寄付する為に妊娠している事に「貴女は、本当にそれでいいの!?」と肩を揺さぶりたくなった。それは搾取しやすくする為に掲げられた「女性らしさ」の刷り込みではないかと思ったから。そして夫の存在感の薄さにも気になった。あの交通事故は果たして現実か否か。2024/12/20

ヘラジカ

38
非常に独創的であり、過去を振り返ってみてもなかなか似たような作品を思い浮かべるのが困難なほど異色の作品。一人の母親が18世紀の詩人に向ける執念。回想録のような伝記小説のような、境界の曖昧な散文によって、女性性(または母性)や文学に対する探求が描かれている。強いて似たような作品を挙げるならばウグレシッチ『きつね』、ヴァンデアフリート・オルーミ 『私はゼブラ』だろうか。またはニコルソン・ベイカーの『室温』も。正直に言うと最後まで乗り切れなかった感はある。再読必須。2024/08/13

フランソワーズ

8
アイリーン・ドブという詩人に魅せられた私。特にクイネ(哀歌)を愛した彼女は詩人の足跡を辿りながら、出産、授乳、赤子の世話に心身をすり減らす。それでも双方ともやめられない、自分を犠牲にしてでも、研究に没頭し、子を愛する。▲そんな主人の日々の姿と、アイリーン・ドブの現れそうで現れてこない人生が長い時間を挟んで交差する。▲詩人でもある作者ならではの、詩的な表現に魅了されました。2025/01/26

Mark.jr

6
タイトルだけだと、いかにも幻想的かつホラーな作品を想起しますが。内容は全然違って、自伝的かつ切実でヘビーなものです。読者というより、一番自分のために書いたような一冊。なので、正直自分には上手く受け止め切れなかったところが…。複雑な文章から、元々詩人だということが伺えます。2024/11/05

コマイヌ

2
女らしい/ステロタイプを無恥に再生産する/正当な女の書いた自伝と散文詩を足したような物、嫌いな要素しかないはずがとても良かった、すごい作品だと思う。表現として物珍しくて一見の価値がある。開いたら分かるけど散文詩だけどインスタではなく小説の物量がある、(語り直される)過去とその幻想、(誰にとっても)不可解な衝動、白昼夢の詩的イメージがほとんどなのに全くリアリティを失わないのはこの物量、現在形の文体、そして徹底的に主人公/作者の思考(テクスト)であるからなんだろう。2024/12/01

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