出版社内容情報
妻は末期がん、最後の日々に
ふたたび咲くロマン!
一滴の水も呑み込めなくなって
その日々を妻が日記に綴り
家で看取った夫がそれを小説に
クリスチャンで酒飲みの妻
不倫がバレて家を出された夫
元文学ボーイと文学ガール
色んなことがありました。
南国の眩い光 悲しすぎる影
死を前にして妻は忙しい
ジョークを言い 神に祈り
西瓜を口に含み 器に戻す
この命がいとおしい
たまらなくいとおしい
この命が
いとおしい
妻は自宅で息を引き取ったのだが、最後の四十二日間、邪悪な癌が喉をふさぎ、一滴の水も飲めなかった。(…)ただ、死を前にしていると思えぬほど二人はジョークを言い合い、一度もいさかいをしなかった。こんなこと、ここ数年あったろうか。
納骨からしばらくした或る日、夫は脳をいたく刺激される一品にでくわした。妻の寝台のヘッドボードに小さなノートを見つけたのだ。(…)
何度も読み返すうち、これを篋底に置いておくのが惜しくなった。この中には自分に不都合なこと、思い出したくないことも含まれているが、この日記を土台にして小説が書けないものか。(…)そうだ小説を書こう。(「序章」より)
内容説明
妻は末期がん、最後の日々にふたたび咲くロマン!
著者等紹介
小川征也[オガワセイヤ]
昭和15年、京都市に生まれる。昭和38年、一橋大学法学部卒業。昭和39~42年、衆議院議員秘書を務める。昭和43年、司法試験合格。昭和46~平成19年、弁護士業務に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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