内容説明
本は、読まれることで生命を得る。19世紀中葉から21世紀初頭のジャーナリズム、出版文化、そして、盛期モダニズム期に娯楽から学術研究の対象に格上げされた英文学。ロレンス、ジョイス、あるいはベネットなどの英文学研究を通観し、ジャーナリズム対アカデミズム、ロウ/ミドルブラウ対ハイブラウの構図を超える多様な交流を探る。アカデミア内外の乖離を乗り越えるための本の存在意義とは?
目次
第一章 リアリズムとモダニズム―英文学の単線的発展史を脱文脈化する
第二章 情動と「多元呑気主義」―ポストクリティークの時代にD・H・ロレンスを読む
第三章 ガーティのケース―『ユリシーズ』第一三挿話のメランコリックなヒロイン
第四章 抑圧と解放?―ヴィクトリア朝小説に見る生命、財産、友情、結婚
第五章 二〇世紀転換期イギリスにおける独身男性事務職員のセルフヘルプ
第六章 「ミドルブラウ」ではなく「リアル」―現代イギリスにおける文学生産と受容に関する一考察
著者等紹介
井川ちとせ[イカワチトセ]
1970年生まれ。お茶の水女子大学大学院博士後期課程単位取得退学。現在、一橋大学大学院社会学研究科教授。専門は英文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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