感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
venturingbeyond
33
差別構造を意識しないですむマジョリティに対して、自己のポジショナリティを意識させ、自身が「普通」で「常識」とみなす価値・規範が、特定の属性を有する(と見なされている)人に対して、どのように抑圧的に働き、権力勾配を固定化するものなのかを丁寧に語りかける差別論入門。著者2人の専門もあり、具体例として挙げられるのは、公民権運動と女性差別だが、広く差別構造と向き合うための構えが平易に示されている。類書も多々あり、これが一番という入門書ではないが、最初に手に取る一冊としては、リーダブルでまずまずお勧めできる。2024/11/07
Eri
6
タイトルのように思ってはいないわたしが読んでも、根強い差別の残り方に苦しくなる。 「逆差別」とか言う人は、今までどれだけ自分の側が優遇されてきたのかをもっと知るべきだし、変な被害者意識は捨ててほしい。 自分のなかの「普通」で「常識」を、そうと思い込まずにアップデートし続けるべきだし、そうありたいと思う。2025/03/19
きゅー
5
主としてアメリカの人種差別を例示しているため、身近な問題として考えづらいように思えた。しかし第2章の「差別ではなく区別」論は納得のできる道筋が示されていると感じた。他方で第5章の、産める人は子どもを産むべきか論は論理が雑に感じられた。おそらく気持ちが籠もりすぎているのだろう。また、「子どもは学校に行くもの」という前提で話が進んでいたりなど、ジェンター問題以外にはあまり興味がなさそうに思われた。一冊としてのまとまりに欠け、章ごとの質の差が大きい。2025/07/17
Humbaba
3
自分が努力して手に入れたものだからこそ、同じものを何も努力していない人が手にするのは納得できない。しかし、では他の人は自分と同じだけの努力をすれば同じように手にできたかと言えばそうではない可能性も高い。人は平等であるべきかもしれないが、現時点では人は平等ではない。様々な意味で差がある状況でそれをどう改善していくかが重要であり、そのためにはまずしっかりとした認識を持つ必要がある。2025/02/10
ちびお
1
差別について、陥りそうな考え方について、分かりやすく論考がされている。 差別解消のために戦ってきた人、時に血が流され、今の日本にそのような気概を持った人がいるのだろうか。2025/03/31
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