感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
124
「SF評論とは何か」を考えさせる入門書として様々なテーマの文章を集めた結果、逆に方向性や座標軸、書き方に補助線などがバラバラで寄せ集めの印象を受けた。『ソラリス』や『宇宙の戦士』論など内容的には興味深いものもあったが、帯にある「SF評論に何ができるか」という点が却ってぼやけた感じだ。ただでさえ牽強付会にとられる場合のある文学批評だが、扱う範囲が広大なSFでは何が言いたいのかわからなくなってしまう。贅沢な要求だが全5部に分冊したテーマ別だったら、分量が多くとも読み応えがあったかも。批評に困る批評集であった。2024/11/16
女神の巡礼者
5
『SF評論入門』というタイトルですが、SF評論書こうなどと思って読んだ訳ではありません。ただ、SFを読むなかで、SFを読むとはどういうことかという、潜在的な疑問があり。エンタメとして楽しく読める作品はいいとして、私にとって難解な作品をどう読めばいいのか。そんな疑問の手掛かりを求めただけです。そしてSF諸作品に込められた思想や哲学の今を、わずかながら知ることができたかもしれません。本書は今年のSF大賞の候補策に選出されていますが、大賞の意義からして、本書が受賞するのではないかと感じた読後感でした。2024/12/19
barndombooks
2
特に面白かった章は、序章 SFをいかに語るか、巽孝之、2章『高い城の男』と易経 藤元登四郎、第3章 アイザック・アシモフの想像力 石和義之、第6章 「未来学」批判としての「内宇宙」岡和田晃、終章 荒巻義雄 11章 ”クンデラは小説家を散文家と対比させ、小説家は彼独自の声を持たないし彼自身の思想を重視しないと述べている。また入沢康夫は・・・「いかなる詩作品においても作者と発話者は別であり、発話者は作者の実存の豊かさを持ち得ない」と書いた” 『SFする思考』も読んでみたい。2025/01/22
Yoko
2
『SF超入門』から勢いづいた。SF評論というかたちで、このようなSF作品へのアプローチがあるのかととても興味深かった。知らない作品が多くて、難しい部分もあったし理解できているかはわからないですが、ここまでの楽しみ方ができるのはすごいなと。2025/01/04
junne
2
入門とは言い難い気はする。ショーケースではあるかも2024/12/10
-
- 和書
- 法律学小辞典 (第4版)