内容説明
アフリカ系アメリカ人劇作家で初めてニューヨーク演劇批評家サークル賞を受賞したロレイン・ハンズベリ。ブロードウェイ上演戯曲『ひなたの干しぶどう』、未放送のドラマシナリオ『北斗七星』の2本を収録。黒人の絶望と希望を痛いほどの筆致で描く意欲作。
著者等紹介
ハンズベリ,ロレイン[ハンズベリ,ロレイン] [Hansberry,Lorraine]
アメリカ合衆国の劇作家。1930年シカゴに生まれる。48~50年ウィスコンシン大学マディソン校に学ぶ。51~53年、ポール・ローブソン刊行の『フリーダム』紙の編集者となる。59年『ひなたの干しぶどう』がブロードウェイで上演され好評を博す。ニューヨーク演劇批評家協会賞を受賞した初めてのアフリカ系アメリカ人劇作家となる。65年没。享年34歳
鵜殿えりか[ウドノエリカ]
アメリカ文学者。愛知県立大学名誉教授。筑波大学大学院文芸言語研究科博士課程修了。単著に『トニ・モリスンの小説』(2015、彩流社、日本アメリカ文学会賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nightowl
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ある黒人一家。祖父が遺した保険金。家庭のある息子は仲間と一発当てようと酒場経営を目論む。溜め息をつきその様子に悩む妻。娘(妻からすれば義理の姉妹)は医師になるために学費が必要。祖母が下した決断とは。「ひなたの干しぶどう」/南北戦争直前。奴隷制度と綿花農場の現実「北斗七星」:前者の戯曲は活き活きとした日常会話の中に、お金の話を混ぜるのが巧み。金銭問題に差別が絡む世知辛さから、結末の勇気ある行動に胸が熱くなる。後者は生々しいせいか没となったシナリオ。ドキュメンタリーとの合わせ技でさらりと放映すれば何とか...2024/03/29