内容説明
書物は、「モノ」としての側面と「作品」としての側面を持ち合わせている。古典籍においては、この二つの側面のいずれもが、重要な情報である。しかし書物の価値は、この二つの側面だけで決まるものではない。もうひとつ重要な要素は「享受」である。書物を正しく理解するためには、この三者のいずれにも気を配る必要がある。それが、表現を変えれば、書物と向き合って、書物の語る声に耳を傾けるということになろう。書物は自ら多くを語ってくれる。われわれがその声に耳を傾ける用意さえできていれば。
目次
1 直能、小城の文雅を創る(桜岡三部作(一)―『八重一重』
桜岡三部作(二)―『八重一重』 ほか)
2 藩主家の文芸サロンと小城文壇(薄幸の若様を守り立てて―鍋島直嵩覚書;鍋島直嵩の和歌習練―『為範卿御筆歌書』 ほか)
3 『和学知辺草』を深掘りする(埋もれていた和学入門書―『和学知辺草』;自己主張する後光明天皇―『和学知辺草』補注一 ほか)
4 当文庫のユニークな面々(一枚の付箋の行方―『三翁和歌永言集』;古典文庫解説卑見―『十帖源氏』の刊・印・修 ほか)
5 くさぐさの作品は語る(中院通茂とのカップリング歌集―『日野大納言弘資集』;女訓物の典型、その蒐集の意味―『本朝女鑑』 ほか)
付録
著者等紹介
中尾友香梨[ナカオユカリ]
研究代表者 佐賀大学教授 漢文学
白石良夫[シライシヨシオ]
元佐賀大学教授 国語国文学
二宮愛理[ニノミヤアイリ]
九州共立大学講師 平安文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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