内容説明
紙とデジタル。読解力にどんな影響を与えているか?確かなデータを手に入れて、それを元に議論をし、その議論を踏まえて国語科や教育現場におけるデジタル機器の使用やデジタル機器を用いた教育を新たに構築するべきだ―。
目次
はじめに―今のままの「読むこと教育」ではいけない
第1章 本書の調査研究の背景・目的
第2章 深く読むことについての理論的整理
第3章 調査の概要
第4章 紙とデジタルの比較読解調査の結果
第5章 インタビュー・アンケート調査の結果
第6章 観察調査の結果(K小学校)
第7章 各調査の照合
第8章 共同研究者からのコメント
第9章 全体のまとめと今後の展望
著者等紹介
難波博孝[ナンバヒロタカ]
1958年生まれ。広島大学大学院人間社会科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鳩羽
4
小学生を対象に、デジタルと紙で国語の問題を解いてもらい、そこに違いがあるのかどうかの調査をまとめた本。調査結果より、そもそも「深く読む」というのはどういうことを指すのかの定義が細かくて、そういうところまで考えてどの科目も指導しているの?と驚いた。調査結果だけを知りたいなら、まとめだけ読めばいいのかなという感じ。点数自体に有意差はなく、高学年に紙を志向する割合が高く、操作性のためにデジタルを志向することもある、と。メディアとしてデジタルを志向する群は偏差値が低いというのは、今も昔もという気がする。2024/06/14
COPEN
3
紙とデジダルの読解力を調査してまとめられたものであるが、2章と9章はコンパクトにまとめられていると思う。2024/05/30
みかん
0
小学校5校を対象に、紙とデジタルでの読解力の違いを調査した概要とその報告。結果としては、統計的な有意差はなかったが、メディア志向が読解力に差をつけている可能性を指摘している。デジタルを志向する子どもの読解力が低いのは、機器を操作すること自体に注意が向いてしまうからとの指摘に納得。学年があがるにつれて本は紙で読む派が増えるのが興味深い。まだまだ分かっていないことも多い分野なので今後の研究に期待。2024/05/29