出版社内容情報
元ひきこもりという当事者の経験を持ち、現在は支援者として多くの相談に向き合ってきた阿部達明氏が、ひきこもり当事者とその家族に寄り添いながら、「親亡き後」のお金の問題や将来への不安に具体的な道筋を示す一冊です。
近年深刻化する「8050(はちまる・ごうまる)問題」とは、80代の親が50代の子どもを支え続け、経済的・精神的に行きづまる社会課題であり、その背景には、ひきこもりの長期化と親の高齢化があります。本書は、その現実に正面から向き合い、解決のヒントを提示します。内閣府の調査では、15~69歳のひきこもり状態の人は全国で推計146万人。実に約50人に1人がひきこもりです。ひきこもりは不登校から移行するケースだけでなく、「退職」や「人間関係の不和」などをきっかけに成人後に陥る例も多く、誰にとっても無関係ではない問題です。
阿部氏は、「明るく前向きに生きるための生活設計(ファイナンシャル・プランニング)」、「本当に自分らしい生き方を探す(キャリア・プランニング)」、「対等な人間関係で支え合う(リレーションズ・プランニング)」という3つの視点を有機的に組み合わせた「ライフプランニング・リレーションズ(三位一体のサポート)」の考え方をもとに、支援を行っています。ファイナンシャルプランナーとしての専門性を活かし、収入や資産、年金の状況などを丁寧に可視化することで、家族が共倒れにならず、生活を維持・向上させるための現実的なプランを導き出します。
本書では、そうした実践的な支援内容を誌上で再現し、さまざまな家計プランを用いながら具体的に解説。読み進めることで、自分や家族の状況に置き換えて考えることができ、8050問題の解決への確かな道筋が見えてきます。不安に押しつぶされる前に、できることは必ずある―その一歩を踏み出すための指針となる一冊です。
【目次】
本書を手に取られたあなたへ
第1章 長期化・高齢化・孤立化するひきこもり
推計146万人、50人に1人がひきこもり状態/自分を守るためにつながりを断つ/8050問題の顕在化/「40過ぎの息子が大学を受験したいと言い出して…」/「やる気はありますか?」/子どもを「受け入れる」とは/「普通に働いてほしい」/自立=お金を稼ぐこと?/居場所―人とつながることの重要性
第2章 親と子の関係を再構築する
親子関係の4つのステージ/初期―家族も他人も世の中も信じられない/?初期のエピソード パソコンがほしいなら企画書を出せ!/膠着期―親の顔を見たくないし、声も聞きたくないが…/?膠着期~転換期のエピソード「外に出る/出ない」という尺度では見えない変化/転換期―外の世界や人と関わろうとする心の準備期間/?転換期のエピソード「ぶっ殺してやる!」から「お父さん、頑張ってね」へ/自立期―親と子のよりよい距離感の獲得に向けて/?自立期のエピソード父親というロールモデルを追いかけて/「気持ちを聞いてほしかった」/親としての思いをI(アイ)メッセージで伝える/求めているのは一緒に考え、一緒に悩んでくれる人/ブレークスルーは必ずやってくる/曇りのないめがねで子どもを見る/「スモールステップ・ノート」のすすめ/耳の痛い話はしない/「答え」は自分の手でつかみとるもの
第3章 当事者と家族を支える3つの視点
ライフプランニング・リレーションズとは/1ファイナンシャル・プランニング(明るく前向きに生きるための生活設計)/家計の問題は必ず解決できる/(1)家計の問題点を「見える化」する/(2)家族全員で向き合う/(3)早期に着手する/(4)ライフプランに終わりはない/ファイナンシャル・プランニングの進め方/「親亡きあと」の準備は、「親亡き前」にやっておく/障害年金は受給できるか/障害者手帳の申請を検討する/生活保護の申請を検討する/「権利としての社会保障制度」を活用する/2キャリア・プランニング(本当に自分らしい生き方を一緒に探す)/「今の自分は仮の姿」/ライフラインチャートを描いてみる/チャートを活用して対策を考える/自立に向けたステップ/?ステップ1―自立への基盤づくり/(1)家族関係の修復・改善/(2)居場所の利用/?ステップ2―前向きなトライアル/(1)人間関係の広がり/(2)自立支援機関の利用(地域若者サポートステーション、民間支援団体など)/?ステップ3│自立への準備(就労・就学・起業・社会参加・その他)/(1)一般就労支援/①ハロートレーニング(職業訓練)/②生活困窮者自立相談支援機関(相談窓口)/③生活困窮者就労準備支援事業/④生活困窮者就労訓練事業/⑤超短時間雇用促進事業/(2)障害福祉サービスによる支援/①就労移行支援/②自立訓練(機能訓練・生活訓練)/③就労継続支援A型(雇用契約あり)・B型(雇用契約なし)/④就労定着支援/⑤
内容説明
お金と住まい。自分らしい生き方。人とのつながり。3つの視点で取り組むひきこもりの老後。解決への道筋は必ず見つかる!ひきこもりだったカウンセラーが親亡きあとのお金の問題や不安に寄り添いアドバイス。8050問題を考えるヒント。
目次
第1章 長期化・高齢化・孤立化するひきこもり(推計146万人、50人に1人がひきこもり状態;自分を守るためにつながりを断つ ほか)
第2章 親と子の関係を再構築する(親子関係の4つのステージ;初期―家族も他人も世の中も信じられない ほか)
第3章 当事者と家族を支える3つの視点(ファイナンシャル・プランニング(明るく前向きに生きるための生活設計)
キャリア・プランニング(本当に自分らしい生き方を一緒に探す)
リレーションズ・プランニング(誰とも対等な人間関係で支え合う)
第4章 事例で考える8050問題の乗り越え方(20年後までの家計の推移を把握する;住まいは現状のままで大丈夫か ほか)
第5章 歩きはじめた人たちの今(明日への足音―「やりたいこと」にたどり着くまで;本好きを生かして30年間のひきこもりに終止符 山下和郎さん(53歳) ほか)
巻末付録 相談・支援機関等一覧
著者等紹介
阿部達明[アベタツアキ]
1961年生まれ。一般社団法人ライフプランニング・リレーションズ理事長、NPO法人楽の会リーラ副理事長、居場所&相談室オープンハート責任者。三井住友銀行、公益財団法人不動産流通推進センター研究員、ちば北総地域若者サポートステーション統括コーディネーター、東京都生活再生相談窓口相談員、東京都就労訓練アドバイザー、東京都社会参加等応援事業居場所責任者を歴任。40歳代前半に仕事上の重圧からうつ病になりひきこもる。現在はひきこもり当事者や家族への相談支援を行っている。現在はひきこもり当事者や家族への相談支援を行っている。1級ファイナンシャル・プランニング技能士(CFP)、キャリアカウンセラー(CDA)、宅地建物取引士、日本FP学会会員、日本アドラー心理学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



