出版社内容情報
1945年8月6日午前8時15分、広島に原子爆弾が落とされました。
一瞬にして、たくさんの命を奪われ、建物や木々はなぎ倒されました。
被爆地には70年間、草木も生えないと言われ、人々を不安にさせました。
しかし、翌1946年の春。「あ、芽が出とる!」
焼け野原で多くの木が芽を出したのです。
小さな緑を見た人たちは生きる希望を感じました。
ムクノキ、イチョウも、サクラも。
今、被爆樹木は広島の街の中で生きています。
爆心地から最も近い場所にあるシダレヤナギは、
一瞬で幹も枝も葉も燃えてなくなりましたが、
土の中から芽吹きました。
原爆の投下目標とされた相生橋のそばで、葉をゆらしています。
さぁ、被爆樹木の声に耳をすまそう。
【目次】
著者等紹介
杉原梨江子[スギハラリエコ]
作家。広島県生まれ。世界の木や花の文化、歴史、神話を研究。2008年より広島の被爆樹木を1本1本訪ねて撮影、被爆者の方や木を守る人々から話を聴きとり、後世に伝える執筆活動を続けている。日本各地の公立図書館で写真展やライブラリー・トークを開催。2024年には被爆70年目に出版した『被爆樹巡礼』が劇団俳優座によって舞台化された。2025年第6回日本写真絵本大賞金賞を受賞。日本文藝家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
MI
57
被爆樹木についての絵本。広島市内では爆心地から2キロ以内の159本、長崎市では4キロ以内の木が68本ある。被爆した木は70年芽が出ないと言われていたけど、昨年の春焼け残った木の根元から芽が出ました。すごい生命力を感じた。被爆樹木の中には樹皮が剥がれていたり、爆心地の方に傾いたりしている木がある。それでも木は生きてる。この絵本がずっと子供達に語り継がれて行ってほしい。2026/10/01
けんとまん1007
50
時に1枚の写真は、何万字もの本よりも雄弁であると耳にしたことがある、これまで本を読んできた。まさにそうだと思うことも、何度もあったが、今回もそうだ。植物の持つ力と、時間ということの意味を考える。人は愚かさを持ち、時として傲慢で狂気に満ちる時がある。それを思い起こさせてくれる。2026/09/21
たまきら
41
2002年に3か月ほど広島に滞在して作品を作りました。プロジェクトの一環として市内の被曝樹をめぐり、夏の暑さと植物の強さに圧倒されたのを思い出しました。滞在のきっかけになったのは、自分がアメリカ人アーティストと作った9.11をテーマとした反戦と平和の思いを込めた作品でしたー今日この本を読みながら、あれから25年も経ったのだ、と、感慨深くなりました。痛めつけられても、どんなに声が小さく思われようとも。佇んで、存在しつづける樹のような人間でいたい。2026/09/11
anne@灯れ松明の火
20
何で知ったか忘れてしまったが、リクエストしようかと思っていたら、新着棚で出会えた。やはり多くの人が読むべき本は蔵書になるのだ。第6回日本写真絵本大賞 金賞受賞。被爆地には「70年間、草木も生えない」と言われ、人々を不安にさせたが、たくましく生き残り、今も平和の大切さを伝える木々が沢山あることに驚く。本来まっすく空を目指して伸びるはずのユーカリがのたうち回るような姿になっているのに衝撃を受けた。被爆樹木の気持ちを代弁する文章に胸が痛む。二度と戦争を起こしてはいけないと、改めて強く思う。9:202026/08/25
anne@灯れ松明の火
19
敬老会で読んだ。うちの会は、8月は休みなので、9月に、戦争に関する本を読んでいる。小さい本なので、ちょっと見にくいかと思ったが、被爆樹木たちの写真と心に響く文章を届けた。この後、中脇初枝さんの「愛子さん」を紹介。京都大教授石井美保さんの、朝日新聞の書評を読んだ。哲学者永井玲衣さんの、中日新聞書評も一部を紹介。こちらも、愛子さんの叫びを届けられたかな。持ち時間が少なく、読後、ディスカッションできず、残念。ちょっと独りよがりだったかも、と反省……。2026/09/03




