内容説明
詩人と歌人の真剣勝負。本作は、二〇二三年四月二十七日から同年十月二十四日にかけて制作された詩人・谷川俊太郎と歌人・木下龍也による対詩です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
buchipanda3
83
谷川さんと木下さんの対話、ならぬ対詩。前に岡野さんも交えた三人の連詩作が出たが続篇かな。題名の標識を最初のお題として始め、交互に詠む。どこか即興性を感じさせる言葉の掛け合いが面白い。谷川さんは詩を、木下さんは短歌を返す。異なる書式だけれど全40作を通しで読むと、不思議なリズムの流れがある。木下さんは谷川さんを意識した言葉が多い。でもそれをさらりとかわしながら風変わりな切り口が拓けていく。お下がりのことば、時間虫、獏は今日も呑気、文字文字して、あやとりん語。青空の青さで始まった詩は、生の未来へと向けられる。2026/07/07
chiaki
30
詩人・谷川俊太郎さんと、歌人・木下龍也さんの「対詩」という名の…これは勝手に勝負事!?というのも、木下さんの『ひとり感想戦』を読んで、巨匠谷川さんに挑む木下さんの並々ならぬプレッシャーと矜持を感じて。決して力づくではなく、そこに谷川さんを恐れ慄く畏敬の念を感じるところが、たまらなくいい。解釈も、ふ、深い…!そんな木下さんを大きな懐で包み込むような谷川さんの対詩がまた素敵すぎる。交わしてきた対詩を、最後にひとつの大きな作品として読み返すとき、もう心は宇宙です…同じ時代にお2人が出逢ってくれたことに感謝です。2026/05/30
このみ
4
ただただ白い本である。「これより先には入れません」看板の先、進入禁止エリアの何も無い白い空間に屹立した文字群。孤独な場所である。木下龍也「あのころのきみの孤独をこのごろのきみはいくらで売っていますか?」の攻めた歌には驚いた。斬り込むよう。「怒らせるという手段でしか人は神とつながることができない」と思った木下龍也さんの技巧は、たくさん谷川俊太郎さんを揺らしたのではないかと思う。「私の三好達治は詩史にはいない」のごとく。先達との交流というのはかくも苛烈で真剣勝負であるということだろうか。よいものを読んだ。2026/06/10
Pilemaestra
4
図書館本。引続き、木下さんと谷川さんのやり取りを観たくて読了。最近の読書時間はもっぱら通勤電車の中なのだが、何回も一人でニヤニヤしてしまった。相手が何を意図してその言葉を紡ぎ出したのか。想像力はこういう所に使いたい。また、チクリと刺したり、しれっとかわすことができるのも、一定のルールや暗黙の了解があるからかも。ある意味全てを語りつくさないからこそ相手をよく観る眼が養われるのかも。短歌や詩の世界、面白い〜✨2026/05/27
栞
3
木下龍也さんは前に情熱大陸で見て以来気になっていた歌人。とはいえ今回初めて手にとった。対詩をそのまま楽しんだ後、木下さんの感想戦なる解説で二度楽しめる。木下さんの視点で見ると、右往左往する木下さんとふわふわ遊ぶ谷川さんみたいな図が見えておもしろい。二十億光年のところの返しのユーモアとか、三好さんへの思いを感じる谷川さんが素敵。2026年に出版されたこの本に、谷川さんのあとがきがないのがとても残念。若い歌人をどう思っていたのか、何を思い対詩をしていたのか、少しでも気持ちをのぞきたかった。蔵書に加えたい一冊。2026/06/19
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