目次
凡人
途切れた電波
最後に鳴った音を知らない
歪み
ぶらぶら踊る
星が死ぬのに
祭りの日
我に返る
白夜
滅びる
たんぽぽ
いてもいい
クルミ
手紙
パラダイス
空腹
寝落ち
著者等紹介
くろだたけし[クロダタケシ]
1965年生まれ。本書が初の著書。2017年より作歌をはじめる。2022年、第二回「ナナロク社あたらしい歌集選考会(木下龍也 選)」にて本書の刊行が決まる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
6
不条理っぽいのかなと思いつつ読んだが、詩的な客観性を帯びた視線はあくまでも日常に据えられている。しかしページを捲るにつれて日常の枠が緩んでいることに気づく。浮遊してえる俯瞰の視点。/制服が嫌いなことと似たような服しか着ないことは別だよ/骨だけが残る魚に顔はあり海にいたって同じ表情/この部屋を出て行きたがる蠅がいて孤独に窓にぶつかっている/おたがいをゴミとののしる僕たちは同じ種類に分別された/そういえば最近見ないあの人は最近までは生きていたのね/非常時に避難所になる公園に鳩がいるのは備蓄ではない2023/08/29
たいちーらぶ
6
何でもない出来事とシンプルな言葉が、黒田さんのユニークな目線とちょっとの妄想で、とてもファンタジーな歌になっている。表題にある始祖鳥の歌はもちろん最高だし、クスッとしながら軽く読んでいると、たまに現れる、胸をつく歌に深く共感したりする。『僕たちがわかりあえたということはどのようにしてわかりあえるの』『いん石が地球を壊す終わりなら怨み合わずに終われるのにね』『あきらかにあなたは他人なのだから他人行儀を悲しまないで』第一歌集とは思えない完成度で、とても面白かった。2023/08/20
トマス
4
正しい場所から正しく光を当てたとき、必ず影ができる。その影を言葉で照らして取り出せるのが短歌のすごいところだと実感できる歌集。始祖鳥は自分が始祖鳥だと自覚していなかったというのは当たり前のようで新鮮で、あるいは本当に踊っていただけなのかもしれない。2024/02/25
lostman
1
これはもう表紙のイラストで既に優勝ばりの魅力があるよなぁ。ついつい手にとってパラパラっとめくりたくなる。以前に本屋で読んだ時は、なんだかクスッと笑えるなという印象だった。やはり笑える歌もあれば、この歌人の人生観が現れている歌もあり共感できる。2024/12/06
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