内容説明
『点滴ポール 生き抜くという旗印』から八年。岩崎航の第二詩集。
目次
震えたのは
詩群一
詩群二
三色すみれ
雨上がりの光
一人立つとき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
49
人にとって表現することの意味を考えながら、読み進めた。ストレートに伝える、少し控えめに、敢えてオーバーな感じで・・など、表現の仕方にもいろいろある。それは、それを受け取る側にも言えること。逡巡、とまどい、決意、それを含みながら一日一日の営みを重ねていくことへの意志。2023/05/26
aika
38
白が淡く滲んだ表紙の鮮やかな青が目を惹く、待ち望んでいた岩崎さんの第二詩集。これまでに書かれた詩よりも、現実の社会や生活の苦闘の中で困難と戦い、乗り越えようとする詩人の強さと、時に挫けて諦めそうになる弱さが一体となった、一段と人間的な共感をよぶ作品群だと思います。病の床にあっても、暗闇の只中にその身があっても、必ず光を手繰りよせようとする姿そのものが言葉に映し出されていました。独立している五行詩の連なりが、ひとつの詩として編まれた新たな試みも新鮮な印象を残しました。特に「雨上がりの光」がお気に入りです。2022/01/19
工藤俊悟
2
●まちがえられたということは たよりないからではなくて あなどられたわけもなくて えらそうに見えなかったから それは、あなたの強みです○汚れがないとか 純真だという人よ ひとさまに 勝手に羽根を つけないでくれ!●姑息な距離感など 超えて 互いの傍らに 座らなくては わからないんだよ●決意の言葉は 勇ましくはなかった 一筋の 涙こぼして 静かに生まれた言葉こそ●大丈夫に 掛けます●思いを貫こう 人と自分に気兼ねしているうち 一生が 終わってしまう○うれしい。こわい。震えたのは、懸命に生きようとしているから2025/09/08
しろくま
2
母の祈りを聴いた あなたの 大丈夫だと言った 心に わたしは賭けます(99頁上) 自分を信じられず、人も信じられず、人の輪の中に入っていく勇気も持てず、自分の境遇を嘆いてばかりいたとき。母はずっと祈ってくれていた。こうすればいい、ああすればいいなんて言われたことない。ただただ娘の本当の幸せ、成長を祈ってくれていた。 母の祈りに支えられ、もがきながら、自分なりの一歩一歩を進んでいったあの頃を思い出した。2025/07/20
林克也
2
母がいて、兄もいて、父はいない・・・・・・・・・・。2022/04/17