内容説明
市民を含む多くの人にとっての函館山のイメージは、山頂から眺める「夜景」。一方で、自生する山野草の種類の多さは、都市近郊の山として特筆すべき数。移住者である著者が、2008年以来足しげく訪れ撮りためた写真と、軽妙な文章でつづる豊かな自然の中に輝く四季折々の魅力の植物とキノコ、159種を紹介。2017年まで北海道新聞道南版に連載した人気エッセー、待望の単行本化。
目次
咲き初める春
咲き競う夏
咲きそろう秋
咲き備える冬
函館山登山コース紹介
函館山のあらましと植物
著者等紹介
藤島斉[フジシマヒトシ]
1969年、埼玉県生まれ。ライター、編集者、エッセイスト。95年よりフリーランスのライターとして活動を開始。旅、自然、環境などをメインのテーマに雑誌、新聞、書籍、ウエブなどの記事を執筆する一方、編集者として各種メディアの制作・編集に携わる。2008年より函館に拠点を構え、14年3月に函館へ移住。道南、北東北の取材を行いながら情報を発信する一方、地元誌紙への寄稿や、文章や写真に関する講座の講師を務めるなど幅広く活動する。近年は函館山を中心に「花の案内人」としてガイドも務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ぽんくまそ
6
北海道新聞道南版に載せていたフォトエッセーをまとめた本。同じ題名の自費出版本に感銘していたし、著者が案内する山歩きに参加したこともある。著者は埼玉県出身で、函館を拠点とした当初は何も知らなかったらしい。街中で桜が咲き始めた頃に初めて山を歩いたところ、存在こそ知っていたが見たことが無かった「山野草の女王」シラネアオイに出会ったことが契機となった。埼玉県で自然に馴染んでいた著者の前史が、花の見方に厚みを持たせている。連載物らしく冬の章も冬芽などで充実している。名や姿から思いを巡らすくすぐったさが彼の文の味だ。2021/05/27