内容説明
モンゴルのいちばん西の大地には高い山がつらなり、カザフとよばれる人びとがくらしています。そこでは古くから、イヌワシをつかった狩りがおこなわれていました…。ユネスコの世界無形文化遺産に登録された伝統をうけつぐ少年とイヌワシの心のかよいあい、雄大な景色とカザフ独特の生活文化をあざやかに描いた絵本。
著者等紹介
ガンバートル,イチンノロブ[ガンバートル,イチンノロブ] [Ganbaatar,Ichinnorov]
モンゴル文化芸術大学美術部卒業。2004年、第14回野間国際絵本原画コンクールで奨励賞を受賞。大学時代の同級生でもあるボロルマーと共同して、絵本や紙芝居を多数創作している
ボロルマー,バーサンスレン[ボロルマー,バーサンスレン] [Bolormaa,Baasansuren]
モンゴル文化芸術大学美術部卒業。2008年に来日し、日本を拠点に絵本作家、イラストレーターとして活躍している。2004年第14回野間国際絵本原画コンクールにおいて『ぼくのうちはゲル』(石風社)がグランプリを受賞。2013年ボローニャ国際絵本原画展入賞など、受賞多数
津田紀子[ツダノリコ]
早稲田大学卒業後、モンゴルでモンゴル語と児童文学を学ぶ。ウランバートル大学大学院修士課程修了。モンゴルの児童文学の研究・紹介につとめ、ガンバートルとボロルマーの共作絵本の翻訳者としても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ヒラP@ehon.gohon
21
モンゴルのウランバートル地方では、イヌワシを使って猟をするカザフ族という民族がいるのですね。 絵本の終わりの写真を見て、写真絵本もありかなぁと思わせる、実話ルポ絵本です。 イヌワシのヒナを取ってきて、実際に猟ができるまで、なんとも大変な苦労が有ることとも知りました。2024/10/13
ツキノ
17
【カザフのイヌワシ】2023年7月発行。モンゴルのいちばん西の大地で暮らすカザフと呼ばれる人々。イヌワシを使った狩りで獲物をとって暮らしているという。代々イヌワシつかいであるエルジャンが父さんとイヌワシのヒナをつかまえにいく。サルコスと名付けられたイヌワシが狩りをできるようになるまで。家族みんなとエルジャンの奮闘。巻末に著者による解説、写真あり。【138】2023/08/11
みよちゃん
12
イヌワシを使いこなすのに、こんな苦労があるとはびっくり。モンゴルのカザフ人の少年がヒナから育てて立派にイヌワシ使いになるまで。話しも壮大だが絵も山から見下ろす雄大な景色に心惹かれた。また家族の暮らしも描かれていて、知らない草原の暮らしに思いを馳せる。2023/10/11
そらこ
12
モンゴル、カザフ族のおはなし。カザフの人々はイヌワシを使って狩りをする。少年のエルジャンは父とイヌワシのヒナをつれてきて、育てて、狩りを教えイヌワシ使いとなる。その過程を描いた絵本。とても興味深い話だ。かわいらしい絵柄だが、民族の生活、文化や風土をしっかりあらわしている。2023/09/25
奏
7
モンゴル最西部にすむカザフ族のエルジャンの家は、代々イヌワシを使って狩りをするイヌワシつかい。イヌワシの雛を巣からとってきて、エルジャンが世話をし訓練する様子を物語に。繁殖できる年になるとイヌワシは自然に戻すのだとのこと。自然と共存しながら、昔からの狩猟法を受け継いでいく。とても良かった!!カザフ族のゲルや敷物に飾られる文様はアイヌ文様にも似ている。2023/08/15