出版社内容情報
さあ、新しい人生を始めようーー
累計50万部突破『最後の医者』シリーズから3年。
著者待望の書き下ろし長編!
内容説明
「生まれ変わりたい」。仕事に疲れたサトルは、拾ったランプの魔神の力で別の時代の人間を生きることに。それは誰とも競わず、遊んで暮らせる日々―のはずだった。やがて集う、転生を希望する者たち。ニートのゲーマー、皮膚炎に苦しむ少女が人生をやり直す時、本当に望んだ幸福を手にできるのか?歴史と世界を駆け巡り、現代の生き方を問い直すヒューマンドラマ!あなたはあなたのままでいい。
著者等紹介
二宮敦人[ニノミヤアツト]
1985年東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業。代表作『最後の医者は桜を見上げて君を想う』等、フィクションとノンフィクションの垣根を越えて活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
125
仕事に疲れたサトル、ニートのゲーマー隆太、皮膚炎に苦しむ愛美。ランプの魔神ビルカの力で希望する世界に転生した3人の物語。どれも結末は想像できるんだけど、壮大な歴史の一部分を切り取ったような転生先の人生がドラマチックで惹き込まれた。時代が違うとこうも価値観が違うとは。それに過酷な生活環境。現代の悩みがちっぽけなものに思えてくる。そんな転生先の人生を経験して皆強く前向きに。面白くて深い一冊でした。2022/11/03
yukision
62
ランプの魔神の力で別の時代の別の人生を歩むことができるという物語。同じ人が何度も試し,また戻ってきてを繰り返せるし,気に入ればその新たな人生を全うしてもいいという親切設定。3章それぞれ別の人物が過去の世界で人生をやり直す。時代や地域によっての倫理観,価値観の違いにさらされて,自分を振り返るきっかけになるという話は斬新だが,没入するほどでもなかった。2024/12/12
dr2006
49
転生先の設定といえば何でもありだけど、本作は史実に基づいた過去の世界に転生する。別世界から今を俯瞰し人が忘れていた大切なことを再認識する。作品は①時と自然の概念を問う”楽園を捨てる理由”、②未知の脅威と災害への備え”人が龍を滅ぼすとき”、③集団の中の病人への偏見”ゆるしがたき病”の連作3篇。どれも深く感銘を受けたが、ハラスメントに疲れ退職したサトルが、紀元前のジャングルに転生しイゾラドと暮す①が一番好き。現生の記憶に転生の記憶が上書きされた主人公は転生先で出逢った人々に「さよなら」を云う。その心境とは…。2025/01/13
よしぱん
44
★4 過去へ転生して人生を見つめ直す3人の連作短編。①ブラック企業で働くのイヤだ!→仕事のない原始時代へ転生②引きこもりでゲームやり尽くした!→龍の討伐隊へ参加しに古代中国へ転生③皮膚炎の自分にうんざり!→自分は健康だが病人=罪人な認識の時代へ転生。・・所有の概念がなく助け合う原始時代が羨ましく思えてしまった、現代はあまりに損得勘定なエゴが多すぎるのかも。エゴ丸出しの人間など見たくないから消えてしまえばいいよね!←エゴの極み2022/09/20
はる
41
今よくあるタイプの転生物だと思って読み始めたらまったく違う内容でびっくりした。この本の中には3人の主人公がいてそこには一歩前進させるためなのか、ランプの中から出てきた魔神?はその主人公にピッタリな転生先を探して来ます。会社に馴染めないサラリーマン、ニート、皮膚病に悩む少女。もちろん、転生先が気に入ればそこで暮らし続けする事ができますが、みんな何かを得て現代に戻って来ます。しかも、この転生は最初のサラリーマンが始めた転生斡旋所から転生していく仕組み。なんだか続きがありそうな終わり方だったので続編を期待。2022/08/20