感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
168
ニシゴリラ、スマトラトラ、ヒガシクロサイ。限られた地球の中でヒトの生息域が広がり、乱獲してしまった結果の世界。数多の美しい鳥も数を減らす。終着点に向かう通過点に生きる私は時に立ち止まり、本を開いて考えたくなる。私たちの視界だけでもこれだけの別れがあるのだから、誰にも気づかれずに失った生命は数多あるのだろう。それがたとえ自然の成り行きであったとしても「絶滅」そのいのちの重さを見つめていたくなる。この流れを人間自らが止めることはないのだろうけれど、インドライオンが虚空を見上げる瞳がとても悲しげであり、揺蕩う。2023/07/22
kinkin
76
絶滅について何冊かの本を読んだ、この本は動物園にいる 絶滅危惧種の動物たちを撮った写真集。本来は、仲間のいる場所で 普通に生きていたかっただろう。絶滅危惧種と言っても大きく3段階に分かれている ことも知った。どの動物の表情も悲しげだ。アフリカやアマゾン、アジアには、野生動物が多くいる場所がある。 しかしそういった場所に限って、貧しい、治安が悪い。開発の対象になる。 絶滅危惧種を保護する難しさを知る。図書館本2025/05/06
鱒子
64
図書館本。モノトーンを基調に構成された動物写真集。動物園の人気者たち、ほぼ全てがレッドリストの絶滅危惧種です。人間はお金のためならどれだけ残酷なことでもする。特にそれが動物相手ならば。「人間が壊した自然。人間が殺す動物たち。そしてそれは人間自身にも降り掛かってくることのはず。どうすれば解決できるのでしょうか?(おわりに より抜粋)」2019/08/06
たまきら
28
上野動物園で何気なく見ている動物たちも、切り取り方を変えるとこんな警鐘を鳴らすことのできる写真集になる。一番身近な動物園だけに、逆に海外の問題を自分のことのように感じることができて素晴らしいと思った。…老眼が始まった自分には文字が読みにくいことが悲しかった…。2021/08/20
ゆーかり
18
動物園の人気者たちも実は殆どが絶滅危惧種。居るのが当たり前のゾウやキリンも今の子どもたちが大人になる頃には違うかもしれない。これまでビッグファイブと呼ばれる大絶滅期があり、今は6回目の大絶滅期と言われているが、15世紀末から始まってスピードと量は圧倒的。中には数十年で80%、90%減少している種も。ステラーカイギュウやドードーは優し過ぎたり警戒心が無さすぎて絶滅してしまった。人ばかり増えている。環境の事や生活の中の一つ一つが地球や生き物に与える影響をもっと考えないといけない。2019/07/23