出版社内容情報
徒然草の「つれづれ」を「無為」という視点からとらえ、その思考の根底にあるものは何かということについて考える。徒然草の表現が生まれるひとつの動機、根本的衝動として、「自然」というあり方が大きな意味をもつことを解き明かす。
内容説明
徒然草の「つれづれ」を「無為」という視点からとらえ、その思考の根底にある「自然」が大きな意味をもつことを解き明かす。
目次
第1章 徒然草の「つれづれ」(「つれづれ」とは何か;「ただひとりある」ことと「つれづれ」 ほか)
第2章 徒然草と老荘(「賢愚得失の境」を出る;自然なあり方を求める ほか)
第3章 徒然草の時代(「無」の契機;頼まざる処世 ほか)
第4章 徒然草と無常(死到来の必然性;諸縁放下と自由 ほか)
第5章 徒然草の「道」(人の道;色好みと道念 ほか)
著者等紹介
藤本成男[フジモトシゲオ]
1953年兵庫県生まれ。1978年岡山大学法文学部哲学科卒業。1999年兵庫教育大学大学院学校教育研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うののささら
73
徒然草は吉田兼好が鎌倉時代末期に書いた日本3代随筆。徒然とは喜怒哀楽を抑えがたいと抱きつつ推移に身をまかせる情態でいらだたしさを抑え表面は平静を表すことらしい。徒然と向き合い世相を鋭く観察し、それに対する批評を楽しむ。与えられた束の間の生命を充実して生きるため生きることを解明をする。人間のかけがえなさと死の現実を認識し、大切なことにどれだけはやく気づくこと、大事なこと以外捨てないと何も成就しないと兼好は言う。生きることの意味がわかる、こんな素晴らしい話とは知らなかった。授業で教師はちゃんと教えて欲しい。2022/01/24