目次
第1 総論(実質的協働と裁判官の評議への関わり方;説明事項(法令及びその解釈に関する説明)における説明の在り方について ほか)
第2 間接事実からの総合判断について(間接事実からの総合判断における裁判官と裁判員の協働の在り方;個々の間接事実の推認力についての評議の在り方 ほか)
第3 正当防衛の成否の判断について(正当防衛の成否の判断における裁判官と裁判員の協働の在り方;刑法36条の基本的な趣旨についての説明の在り方 ほか)
第4 責任能力の判断について(責任能力の判断における裁判官と裁判員の協働の在り方;責任主義についての説明の在り方 ほか)
第5 量刑判断について(量刑判断における裁判官と裁判員の協働の在り方;個々の量刑事情の評価が難しい場面について ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねお
10
裁判員裁判の評議のあり方について模索した本書は、裁判官だけではなく、当事者がどのように法廷で裁判員に法的概念を説明し、重要な間接事実からどのような推認過程を経るかを言語化することの重要性も理解することができる。間接事実による事実認定や量刑起案をする際の頭の中を整理するのにも適していると感じた。事実認定ガイドに記載されている核心をより敷衍して丁寧に説明してある。また、難解概念で説明されていた正当防衛について、平成29年の最高裁判例を踏まえ、正当防衛状況と急迫性の要件についてどのように整理するか理解が進んだ。2020/11/23