目次
1 京急全線編(現在のルートを選んだ歴史的な背景とその地形;品川駅から三崎口駅まで意外と高低差のない路線―品川駅・三崎口駅 ほか)
2 品川・大森・蒲田編(品川駅より南にある北品川駅の摩訶不思議―北品川駅;「連続立体交差化」で品川周辺の交通事情が一変―品川駅 ほか)
3 羽田・川崎編(終着駅が5度も変更!空港線と羽田空港の開発―穴守稲荷駅・羽田空港国内線ターミナル駅;人力車の車夫が反対し起点となった六郷橋の駅―京急川崎駅 ほか)
4 横浜編(幻の根岸線も影響?内陸を迂回する京急線―日ノ出町駅・黄金町駅;運河に囲まれた横浜駅 江戸時代までは海だった―神奈川駅・横浜駅 ほか)
5 横須賀・三浦半島編(大日本帝国憲法は京急沿線で作成された―金沢八景駅;湘南電気鉄道の開通で行楽客が溢れた金沢八景―金沢八景駅 ほか)
著者等紹介
岡田直[オカダナオシ]
横浜都市発展記念館・主任調査研究員(学芸員)。1967年生まれ。京都大学大学院修士課程修了。専門は人文地理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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molysk
33
品川と三浦半島を結ぶ京浜急行は、高速運転や赤い電車が特徴でファンも多い。その沿線も、地図で読み解くと魅力的であることがわかる。横浜を境に、2つの前身となる鉄道をつないで全通した京急。横浜より北は、路面電車が発祥で、生活に密着した路線となり、駅間も短い。横浜より南は、横須賀や三浦半島への高速鉄道から始まり、海水浴などの行楽路線でもあった。川崎、横浜あたりで、かつて車窓から臨んだ海岸も、今は埋め立てられるなど、時代と共に沿線は変わっていくが、ひとびとの想いを乗せて走り続ける京急の姿は、変わらない。2020/04/10
ちはや@灯れ松明の火
28
台風にも負けず大雪にも負けず、落盤にも人身事故にも負けぬ、丈夫な車体を持ち、振替輸送に励み、時々遅延し、最高速度120キロで突っ走る。品川より南にある北品川、北馬場と南馬場がくっついて新馬場、戦前は向かいあっていた二つの川崎。関東大震災で生まれた巨大駅横浜、おかげで地味になった神奈川、生麦の近くにあったキリン駅。平衡感覚が狂う能見台、安針塚の名に隠された軍事機密、ペリーが上陸したのは浦賀じゃなく久里浜。みんなに赤い稲妻と呼ばれ、キャラとコラボしたりダイヤをネタにされたり、地元民が誇れる足に京急はなりたい。2019/11/21
月猫夕霧/いのうえそう
6
京急と京急沿線のトリビア的なものを書いた本。この手の本は過去にもありましたが、カバーの吉田初三郎と監修者の(横浜市都市発展記念館の)岡田先生の名前で買ってしまいました。監修者が岡田先生なのもあって横浜市の博物館にある戦前の地図が沢山出てくるのはお買い得ですが、書かれている内容は類書とあまり差が無いなぁと。あと吉田初三郎の湘南電鉄沿線名所図会を4ページにわたって拡大して載せてくれているのはうれしいのですが、そこまでやるならあと2ページ増やして全面収録してくれよ、とは思いました。2022/09/28
kaz
3
普段はせいぜい品川から羽田空港の間くらいしか利用しないし、沿線の様子もほとんど見ないので、少しピンとこないところも多いが、開発のトリビア等は面白い。高低差が少なく、標高が最も高い地点が三崎口というのは、驚き。2019/09/25
チョビ
3
もう表紙(吉田初三郎の鳥瞰図)勝ち!とにかく彼の鉄道図が好きなんですよねー。一応沿線に住んでたし、去年一昨年とものすごくお金を落とした(飛行機も乗ったしな)、そして今年の大河ドラマともちょっと連動しているということで、知っている駅に関してはかなり楽しく読めましたね。ただ、できることならもう少し現在の駅周辺と昔の駅周辺がわかるように上にどちらかが重ねられるようにできていると嬉しかったが、そうするとブレるんだろうな、とちょっと残念…。2019/06/11