内容説明
宮庭魔術師のクラリッサは、褒美に釣られて密命を受けることに。内容は、騎士団長セオドアを地下室で十日間お世話すること。なんと彼は、ある治療のために退行魔術を受け、運悪く精神が九歳のまま戻らなくなってしまったのだという。一緒に生活するにつれ、クラリッサは厳しく躾けられた彼の生い立ちを知り、決意する。「私が、あなたを甘やかしてさしあげます!」屈強で生真面目な騎士団長(中身は九歳)をあの手この手で甘やかす日々がはじまる!第1回Jパブ大賞金賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
37
あっさり物に釣られて・・?私だけじゃなかったのねとこの本を手に。子供を育てるのに夫婦の愛情がなければ悲惨ですよ!って戒めの本かと。まぁね家柄だけで結婚する時代ではなくなりましたけれど。お互い好きで結婚したはずなのに女が悪いのか男が悪いのか、お互いにすきま風が吹いて一番難儀するのは子供。セオドア騎士団長と正反対の育ちを受けたクラリッサが、クラリッサの家庭のように甘く幸せでずっと暮らせるといいですね。でも現実は結婚願望が少ないようです。少子高齢化に年金問題と成す術もなけりゃ議員さんも60才定年制が必要です。2022/06/16
さっきぃ
15
別のお話を読むために再読。とてもいいお話。退行魔法をかけられ9歳の精神に戻ったセオドア騎士団長のお世話を任されたクラリッサ。過去に母親から虐待を受けていた幼いセオドアが本当に可哀想で、そんなセオドアをとことん甘やかすクラリッサが本当に懐深くて、退行魔法が解けたあとのセオドアの必死さとかクラリッサを恋焦がれる感情が切なくて…セオドアが本当にいつまでたっても無垢な子供みたいだった。セオドアの父親が本当にひどい。クラリッサのおおらかさがとてもいい。2024/09/30
ハル
14
千代
7
KU。Web版既読。好きだった話が加筆修正されて書籍化。やっぱり好き。退行魔術で9歳の精神から現在に戻ってきてからのセオドア(テディ)が…なんか振り切れてていい。セバスティアンが語る後日談が特に好き。鳩やアヒルに静かに涙を流し、蝋人形に絶望…からの、人心を解する生きた美しい奥様の登場に大粒の涙を流す気持ちも分かる。ひとつ間違えばとんでもないヤンデレになりそうだけど、ヒロインのクラリッサがおおらかでなんだかんだと甘やかしてくれるので安心して読める。2022/05/05
海星梨
6
KU。読メTLで見て気になってたやつ。虐待とかしっかり自傷とかも入れつつなのに、ヒロインの器のデカさというか、機転も効くし受け入れるし、愛するしっていう部分で飯テロのんびりになってるのマジすご。結構泣きながら読んだけど、ハピエンでよかった。ヒーロー父は大団円にいれないとか、ご都合展開でないのも読み味いいよね……。そこらのバランス感覚マジすごい。2024/06/27