出版社内容情報
近代イギリス長編小説の頂点とうたわれるジェーン・オースティンの6作品のうち、初期に執筆されたもの(出版は著者の没後となった)。
ゴシック小説の影響を受けた若い女性キャサリン・モーランドの成長物語で、で、文学に熱中する自身の姿を投影し現実との違いを描いている→夢見がちな女性への風刺を込めて。基本的には、当時人気を集めていたゴシック小説のパロディで、主人公(ヒロイン)を中産階級出身の目立たない平凡な少女に設定し、そのロマンチックな妄想・好奇心をさらけ出すことによって、18世紀の小説の慣行をその冒頭から変えた。
「200年経っても色褪せない」とうたわれる天才作家の、執筆の原点となる名作。オースティンの作品は、すべて平凡な田舎の出来事を描いたものであり、求めた題材の範囲は非常に狭く、いずれも登場人物は名家の娘と牧師や軍人などの紳士で、この男女が紆余曲折を経てめでたく結婚して終わる。
オースティンは「田舎に3、4の家庭があれば小説にもってこいの材料になる」、と述べているが、そこでの人間の姿を徹底的に描き尽くし、人間性の不変さを示し、心理写実主義の先駆ともされている。
一連の作品は、英文学古典の一つとして高く評価されていて、初級の講義から各国の学会での高度な研究に至るまで多くの大学でオースティンの作品が取り上げられている。
バースのゲイ・ストリートには現在、ジェーン・オースティン・センターがあり、様々な資料を展示する他、
研究・啓蒙活動が行われている。
「君の心の庭に忍耐を植えよ、その草は苦くともその実は甘い」は彼女の言葉である。
*2016年以降に流通している10ポンド紙幣の肖像画に、ジェーン・オースティンが採用されている。
【目次】
内容説明
小説好きで夢見がちな牧師の娘・キャサリンは、パーティーで出会ったヘンリーと恋に落ちる。愛読するゴシック小説の影響で、客として訪れたヘンリーの家(ノーサンガー僧院)に潜む謎・犯罪を妄想して窮地に陥るが、彼女の純粋さと純真無垢で楽天的な性格を愛するヘンリーに導かれ、本当の恋を知る大人の女性へと成長していく。恋と勘違いが、こんなにも愛おしい。200年前も、恋する乙女の心は空想と現実のあいだで揺れていました。オースティン初の長編小説ながら没後に刊行されるという、数奇な運命を辿った名作。待望の新訳!
著者等紹介
オースティン,ジェーン[オースティン,ジェーン] [Austen,Jane]
1775‐1817。英国南部ハンプシャー州生まれ。18世紀から19世紀イングランドにおける田舎の中流社会を舞台として、女性の私生活を結婚を中心に皮肉と愛情を込めて描き、その作品は近代英国長編小説の頂点とみなされている。また英語における自由間接話法(描出話法)の発達に大きく貢献したことでも知られる
パーカー敬子[パーカーケイコ]
1957年東京女子大学文学部英米文学科卒業、カナダに渡る。1964年にトロント王立音楽院よりARCT(Associate of the Royal Conservatory of Toronto)の教師資格を得て、46年間音楽理論を主として教授。2016年に同音楽院より第一回Teacher of Distinction賞を受賞。1950年代後期よりジェーン・オースティン研究を始め、1981年にJane Austen Society of North America(JASNA)に入会。バンクーバー支部長を務め、2007年バンクーバー市で開催された年例会の委員長を務める。1993年カナダ、バンクーバー市のUniversity of British Columbia大学院English Departmentcより修士号を取得。2011年からは「ジェーン・オースティンを英語で読む会」を主催、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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