出版社内容情報
「人を増やせば、会社は楽になる」
そう信じてきた多くのビジネスマンに、本書は静かに、しかし本質的な問いを投げかけます。――本当に足りないのは、人なのだろうか。
『雇わない経営』は、採用・教育・離職・固定費・責任といった「人の問題」に悩み続けてきた経営者が、自身の限界と向き合いながらたどり着いた、これからの会社のあり方を描いた一冊です。根性論でも、極端な効率化論でもありません。テーマは一貫して、「人を犠牲にしない構造をどうつくるか」です。
忙しくなると人を採る。
人が辞めると、また採る。
そうしているうちに、なぜか前より苦しくなっていく――。
多くの会社で当たり前のように繰り返されているこの流れに、著者はある違和感を抱きます。それは、人手不足ではなく「仕組み不足」こそが経営を重くしているのではないか、という気づきでした。
本書で語られる「雇わない経営」とは、社員を切る話でも、孤立して一人で抱え込む話でもありません。むしろ逆です。AIや業務ツール、外部パートナーの力を適切に使い、人にしかできない仕事に集中できる環境を整えること。属人化を減らし、誰がやっても回る形をつくり、会社と人の両方を守るための“決意”なのです。
読み進めるほどに、「あるある」と頷いてしまう場面が続きます。
・人を増やしたのに、判断は遅くなる
・管理や確認に追われ、考える時間が消えていく
・黒字なのに、なぜか余裕がない
それらは誰かの能力不足ではなく、構造の問題だと本書は明確に示します。
本書の大きな特徴は、抽象論では終わらない点にあります。仕事を三つの層に分けて考える視点、外注を「変動費の仲間」として扱う考え方、数字を管理ではなく“確認”のために使う発想など、すぐに自社に重ねて考えられる具体性があります。特に、「粗利/人時」という指標を通して会社の健康状態を測る視点は、多くのビジネスマンにとって新しい気づきになるでしょう。
また、本書は経営者だけの本ではありません。組織の中で責任を背負い、現場と上層の板挟みになっているマネージャー層、将来独立や起業を考えているビジネスマンにとっても、「働き方」や「組織のつくり方」を根本から見直すヒントが詰まっています。無理を前提にしない会社は、どうすれば成り立つのか。その問いは、働くすべての人に関わるものです。
人を増やす前に、整えられることがある。
頑張り続けなくても、続けられる形がある。
『雇わない経営』は、拡大や成長を否定する本ではありません。ただ、「壊れないこと」を最優先にしたとき、会社はもっと軽く、速く、しなやかになれると教えてくれます。忙しさに慣れてしまったすべてのビジネスマンに、一度立ち止まって読んでほしい一冊です。
【目次】
序章
「また社員が辞めた…」から始まる経営のリアル
・人材不足の裏側にある本当の原因
・人を増やしても楽にならない理由
・本当に足りないのは「人」なのか?
第1章 人を増やすほど、会社は重くなる
・固定費が経営の自由を奪っていく構造
・人を採るほど判断が遅くなる理由
・「人材=資産」という考え方の落とし穴
・一人辞めただけで回らなくなる会社の共通点
第2章 会社の仕事を3つに分けて考える
・自社で抱えるべきコア業務とは
・AIやツールに任せられる仕事
・外注で変動費化できる仕事
・雇わなくても回る組織図の描き方
第3章 仕組みがあれば、人は無理をしなくていい
・属人化を断ち切る考え方
・仕事を分解し、誰でも回る形にする
・手順書(SOP)とチェックリストの力
・仕組みが人と会社を支える理由
第4章 それでも「人」でなければならない仕事
・人にしかできない価値とは何か
・雇うべき仕事、雇わないほうがいい仕事
・信頼関係が価値になる仕事
・採用を判断するための視点
第5章 外注は「人を増やさないための仲間」
・採用より外注から始めたほうがいい理由
・契約と成果物でお互いを守る
・近すぎない距離が良い関係をつくる
・「選ばれる発注者」になるという考え方
第6章 すべての仕事に数字をひもづける
・忙しさを感覚ではなく数字で見る
・会社の状態が一目でわかる指標
・少人数でも高収益を生む設計
・数字は「管理」ではなく「確認」のためにある
第7章 採用は、最後まで取っておく
・「雇わない基準」がある会社は迷わない
・人が欲しくなった瞬間に立ち止まる
・一人目の採用を最も慎重に考える
・雇うと決めたときの準備
終章
人材不足の時代を、しなやかに生き抜く
・「たくさん抱える会社」が強い時代の終わり
・経営を軽く、速くするという選択
・管理から創造へ、経営者が本来の仕事に戻るとき
-
- 電子書籍
- ELLE Japon 2017年10月号
-
- 洋書電子書籍
-
新ミルトン必携
A New Co…



