内容説明
大和王権は九州の王権の傍流だった。文武天皇即位の宣命は、九州の「倭国」が受け継ぐ本流の名分を大和の王権が継承した宣言であることを指摘。大和なる天皇家の王権以外に中心的権力はなかったとする「一元通念」は、根拠がなく学理上無効であることを論証し、真実の古代史像を描き出す。
目次
1章 根拠から答えへ―「新古代学」の成立(答えが先か根拠が先か;古田言説が出現してから―中小路言説とのかかわり)
2章 大和王権の真相―「傍流」から「本流」へ(神武東征の意味―日本文学史の構図へのアプローチ(二)
宣命の文辞とその周辺―日本文学史の構図へのアプローチ)
3章 「大和王権一元通念」の源流をさぐる(日本神話の構造とその成立―「一元通念」の本来の根拠への一考察;『日本書紀』の書名の「書」の字について)
4章 大和「日本国」と九州「倭国」の併存(唐代文献の日本像―その変化相と連続相と;大和(日本)王権の対唐政策―「一元通念」の源流と文学史
王維が阿倍仲麻呂に贈った詩にあらわれる「九州」、「扶桑」および「孤島」の意味について
日本(大和)王権は冊封を受けず―日中共通認識の確認、および日本文学史・日本王権史の枠組みの提示、ならびに論者の古代探究の回顧と展望)
著者等紹介
中小路駿逸[ナカコウジシュンイツ]
1932年、兵庫県神戸市に生まれる。1953年、京都大学文学部文学科卒業(国文学専攻)以来、兵庫県明石市で高校教諭、明石高専教諭。1969年、愛媛大学教養学部教授。1984年、大阪大学医療技術短期大学部教授。1987年、追手門学院大学文学部教授、国文学・国語学担当。2000年、追手門学院大学名誉教授。2006年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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