内容説明
人間椅子から『けいおん!』『ぼっち・ざ・ろっく!』まで。雑誌『宝島』の変遷、ナゴムレコード、バンドと演劇の蜜月、韓国のバンドブームまで、イカ天やその前後のバンド事情を網羅!
目次
1章 イカ天とは何だったのか?(深夜放送の時代;玉石混交の面白さ ほか)
2章 個性的すぎるバンドが大量発生!(たま論―バンドブーム期にたまたま登場した「たま」という“突然変異バンド”;リトル・クリーチャーズ論―バンドブームと渋谷系 ほか)
3章 イカ天とホコ天に象徴される空前のバンドブーム(ビートロックとはなんだったのか―バンドブームの音;バンドブームという日本的な現象 ほか)
4章 バンドコンテストの変遷(バンドコンテストの系譜;バンドの物語性 ほか)
5章 持続可能なバンド論―『けいおん!』『ぼっち・ざ・ろっく!』(バンドのコスパの悪さ;『バンド論』が投げかけるもの ほか)
著者等紹介
土佐有明[トサアリアケ]
ライター。千葉県生まれ。明治大学文学部卒。20代半ばで執筆活動を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
13
DU BOOKの本。テレビは昔から見ないので、イカ天のバンドとかはほぼ馴染みが無い(例外は「たま」で唯一当時会社の同僚からCDを貸してもらった位)ので、興味を持って読了。初期の審査員に、大瀧詠一の一番弟子の萩原健太氏がいたなんて初めて知りました。KERAのインタビューが一番納得が行き面白かった。アートスクール的感性として、私立和光学園一派に関する記述が自分としては得る所多かった。吉田アミさんがイカ天に救われたと語るインタビューも良かった。後半の、「けいおん」「ぼっち・ざ・ろっく!」論も出色。演劇とも絡む。2025/04/08
nobu23
7
80年代末期のイカ天とバンドブームに関して、当時の関係者や視聴者のインタビュー、著者の考察などを交えて深掘りする本。 リアルタイムで見てないが当時の熱気やブームさを感じることができる。 けいおんやぼっちざロックといったその後のアニメバンドブームに関しても多く言及している。2025/05/10
unterwelt
2
80年代末のイカ天とそれに伴うバンドブーム、そして現在の『けいおん!』『ぼっち・ざ・ろっく!』までを論じた一冊。イカ天は全く通ってないが、今で言うボカロやニコ動と同じ役割を果たしていたのだと知ることができた。「これなら自分にもできるかも」と思わせられることが大事なのだと。合間に挟まれているインタビューも面白かったが、特にKERAの「コスパが悪い方が面白いんじゃないかという気がする」という発言や演劇との比較が印象的だった。バンドの魅力は「コスパが悪く、他の人とやるので思い通りにならない」ところなのかも。2025/05/16