内容説明
ジョン・レノン「イマジン」とともに、アメリカ議会図書館にも登録!クラシック音楽の専門家が解説した、はじめての本。いまこそ知っておきたい、名曲の秘密。
目次
ワールド1 「スーパーマリオブラザーズ」誕生の背景(「E.T.」から「マリオ」へ;マリオ、大きくなる;近藤浩治の作曲哲学;近藤浩治にとっての楽器―ベートーヴェンVS近藤)
ワールド2 「スーパーマリオブラザーズ」の音楽(地上と地下―反復とバリエーション;水中のワルツ―8ビットのダンスミュージック;クッパの「城BGM」と、その他のエンディング―感情を動かす!;効果音―ミッキーマウシングの進化)
終わりに 近藤の芸術はさらなる高みへ
著者等紹介
シャルトマン,アンドリュー[シャルトマン,アンドリュー] [Schartmann,Andrew]
マギル大学とイェール大学で音楽の学位を取得。「DSCH Journal(ドミートリイ・ショスタコーヴィチについての専門誌)」のエディターを務める。クラシック関連の学術論文多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hnzwd
19
初代スーパーマリオブラザーズのBGMを専門的に解説すると、という一冊。早回しすると音楽も使い回しになってる、とかのテクニック的な本はあるんですが、テンポが〜、とか、音階が上がるのがキャラクターの動きと〜、みたいに論点が音楽よりなのは初めて読みました。冒頭のリズムは老若男女、人種問わずに聴いたことある!ってなりそうですし、アメリカ議会図書館に登録され、ゲームという一つの文化を代表する曲として認められている、っていうのも納得。2024/06/27
nbhd
14
♪たらった、たらった、どん。と書けば、誰もがあのメロディーをなぞれる不思議。個人的に、ニンテンドーの近藤浩治さんは22世紀の音楽室においてバッハやモーツァルトの肖像画と並んでも良いクラスの大音楽家と思っているので、こりゃ読まずにはいられないと手に取った。内容的には、楽譜が読めるような人向けのもので理解しがたいところもあったけど、ハイドンやモーツァルトを扱う理論家である著者のクセのある大仰な修飾語の数々を楽しみながら読むことができた。2023/12/20
センケイ (線形)
13
ちょうど強い関心を持っていたので渡りに船だった。実は“楽器”ごとに拍子をずらしていることによる躍動感や、三音であることをむしろ生産的に使った調の作り方にはなるほどとうならされたが、実は効果音の分析などもかなり手厚い。良いことは上昇していく音に、良くないことは加工していくことに結び付けられている。音楽も効果音もともに、ゲームの体感の手触り感を高めるためにギリギリのところまで練って作ってあるのである。2023/07/29
さえきかずひこ
10
マリオの音楽の魅力を学術的に分析する一冊。譜面が読めたり、ある程度楽典の知識があったほうが読むのに役立つだろう。こういう本を日本人ではなく、外国人が書くのかという驚きがなくはない。2023/12/11
MASA123
10
スーパーマリオの発売は1985年、関西の人気球団が日本シリーズで優勝した年だ。場面ごとのゲームのBGMは、いくつも頭に刷り込まれている。タタタタラッタタ♪のメインテーマ、水中のワルツ、土管を降りて地下へもぐる効果音、クッパ城を駆け抜ける足音・・・。本書は、外国人が、マリオのBGMを分析・解説したユニークな本で、とてもおもしろい。メモリー容量の制約が、単純化されたすばらしいメロディーを作ったといえる。楽譜が掲載されているので、マリオのメロディーを、楽器で弾いたり、吹いたりしても愉しい。2023/11/02