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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かさお
28
高校生レベルから楽しみながら学習出来る。幼い頃に読んだ「幸福の王子」世界昔話で観た「ナイチンゲールとバラの花」イメージは【自己犠牲による美徳】しかし解説と共に読むと、かなりの自信家のオレ様で結婚後に男性を恋人に持ち投獄されるなど かなりの波瀾万丈ぶり。また、英語学習本を読む時の密かな楽しみがある。練習問題などの英文の不自然な和訳にツッコミを入れること。【もし十分なお金があれば貴方と共に行くのですが】→え、たかりですか?【カレはカレンのカレシです】ダジャレ?バカリズムとか大喜利に使ってほしいと常々思う。2024/01/18
風に吹かれて
16
英文を読みながら英文法を学ぶ本であるが、The Happy Princeでオスカー・ワイルドの世界に入門できる本といってもいいかも知れない。 英文中の重要ポイントを詳しく解説するほか、ワンポイント文法講座でいくつかの文法について解説。「無生物主語構文と名詞構文」、「強調構文(分裂構文)の用法」がとても参考になった。でも、やはり名詞構文の理解が私には厳しい。英文に触れることが少ないからかも知れない。 ➡ 2020/12/15
Nobu A
8
同著者の「ヘミングウェイで学ぶ英文法」シリーズに続き読了。20年7月初版、同年9月第2版。文法理解回帰の人気が窺える。ただ、英文法と言っても当該文学で扱われる限られたもの。しかも、複雑な構文ではなく流れるような文体に使用される汎用性が高い中高生レベルの語彙を含む文法の解説。寧ろ行間を読むと言った類に近い。これで着実に英文法理解が促進したと言うより、例えば、習得が難しい定冠詞・冠詞をものにして英文を読む際、見える世界が変わる感覚に近い。いずれにしろ、なかなか読む機会がなかった文学作品に触れることが出来た。2022/09/25
カイロス時間
8
The Happy PrinceもThe Nightingale and the Roseも読みやすかった。著者が言うように文章の「音」がよい。リズム感があるというか、ノリが伝わってきた。倒置の文型がとても効果的な気がする。文が倒置するのには理由がある。前の文を受けてその流れに合わせようとするから、本来は先頭にないものが前に出てくる。でもそのおかげで読者は情報のつながりを感じられ、文と文を切れ目なく読み進めることができる。音声的な工夫とは別に、この内容的な滑らかさも軽やかなテンポを作り出している気がした。2022/05/02
れなち
7
オスカーワイルドの『幸福な王子』を読みながら英語やワイルドについて学べる本。短い本文とはいえ、ひとつの作品を最後まで読めるというのは達成感があっていいですね。ワイルドなので毒々しい展開を予想していたけど、最後までピュアな童話だったので逆にびっくり。文法は高校のグラマーのおさらいレベルながら、"He is gone"のように現在形なのに完了の意味になる理由など、時々言語学や古英語にまで踏み込んで解説してある点がよかった。たぶん同シリーズのヘミングウェイより題材的に読みやすいので、最初の一歩におすすめです。2021/09/12