内容説明
本書のテーマは、江戸時代の加賀藩において行われた救恤である。「救恤」とは、独立した生活が困難な困窮者に対する御上からの扶助を指し、特に飢饉や災害後に行われた例が多く残る。非人小屋は、その要であった。17世紀に作られて以後、廃藩まで続いたこの施設を中心に、早期かつ大規模に実施された救恤により「政治は一加賀、二土佐」と称された加賀藩の救恤の様相を紹介する。
目次
導入 救恤研究の意義をどこに見出すか?
第1部 非人小屋の成立―寛文・元禄飢饉における役割(先行研究と史料;非人小屋の創設―寛文の飢饉~元禄飢饉前夜;元禄の飢饉;藩政初期の非人小屋)
第2部 非人小屋と御救小屋―藩政中期~後期における救恤(非人小屋での生活;天保飢饉下の加賀藩;天保飢饉への対策;寛文・元禄飢饉対策との相違点)
第3部 非人小屋の意義と限界(非人小屋と御救小屋;非人小屋の意義と限界;第3部から析出される課題)
著者等紹介
丸本由美子[マルモトユミコ]
1981年富山県に生まれる。2004年金沢大学法学部卒業、同大大学院法学研究科に進学、金沢大学一般職員に採用(教育学部総務係)。2007年金沢大学一般職員退職、金沢大学大学院法学研究科修士課程修了。同大教育学部実験助手に採用。2008年金沢大学情報部情報企画課総務係非常勤職員(金沢大学資料館業務担当)に採用。2010年金沢大学非常勤職員退職、京都大学大学院法学研究科博士後期課程編入学。2013年京都大学大学院法学研究科博士後期課程修了。2014年金沢大学法学類准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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