内容説明
かつて大阪・富山・浜松の三都市は、「日本三大浄瑠璃大国」と称されるほど浄瑠璃(義太夫節)文化が隆盛を極めていた。真宗大国とも呼ばれる越中富山は、売薬商人とも結びつき、浄瑠璃文化が華開いた。企画・立案者小杉善一郎の祖父、豊澤團隅は、富山の義太夫師匠であった。本書は、豊澤團隅の生涯を追うとともに、隆盛を極めていた越中富山浄瑠璃史を俯瞰し、後世に伝えることを願って証跡資料を追い求めた集大成である。掲載資料を見ながら読み進めることで、往時の様子を深く味わっていただきたい。(小杉善一郎)
目次
1 越中富山の浄瑠璃文化概観
2 富山における浄瑠璃文化発展の背景
3 近代富山県・富山市総曲輪の浄瑠璃文化と豊澤團隅(本名小杉幸之助)
4 現在も残る浄瑠璃文化隆盛の面影
5 県内各地の浄瑠璃文化
6 北陸諸県の浄瑠璃文化