内容説明
強大な組織が崩壊するのは、どんな時か。その答えが、河北一帯を支配する名門・袁紹が滅んでいく過程に、つぶさに描かれている。曹操は、袁紹が拠点としていた城に猛攻撃を加えていた。しかし、兵の犠牲が増えるばかりで揺るぎもしない。重臣が曹操に進言する。「この城は胡桃のように外殻は堅固ですが、中身は虫が食っています。やがて亀裂が入るのを、悠々待つべきではありますまいか」袁紹の家臣団に、内輪もめが絶えないことは、他国にまで知れ渡っていたのだ。どんなに経済力、軍事力を持つ大国であっても、そこを守る人間に不和が生じたら、長続きはしないのだ。劉備は実に弱い。戦えば負け、家臣はちりぢりに敗走する。それでも心を一つにして、再び結束する。この強固な「人の和」が、やがて曹操に脅威を与える大国「蜀」を築き上げていくのである。
著者等紹介
吉川英治[ヨシカワエイジ]
明治25年(1892)~昭和37年(1962)。神奈川県生まれ。本名、英次。家運の傾きにより、11歳で小学校を中退。さまざまな職を転々とし、社会の辛酸を舐める。18歳、苦学を覚悟して上京。29歳、東京毎夕新聞社に入社。翌年、初の新聞小説『親鸞記』の連載を開始。31歳、関東大震災に遭遇したことをきっかけに、作家活動に専念。『剣難女難』『鳴門秘帖』などで、たちまち人気作家へ。43歳、朝日新聞に『宮本武蔵』の連載を開始。爆発的な人気を得て、国民文学作家の地位を不動にする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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