内容説明
2017年3月に獄死した関根元死刑囚は、共犯者に「30人以上殺した」と告白していた。事件を追うと、主犯とされた風間博子は冤罪だった可能性が浮上!?メディアでは報じられなかった、共犯者の「風間は殺してない」という証言。風間は虚言癖のあるシリアルキラーに罪をなすりつけられたのか?
目次
第1章 「ボディを透明にする」異様な犯行
第2章 共犯者の誰が信用できるのか?
第3章 二人は殺人夫婦だったのか?
第4章 容疑者にセックスまでさせた検察官
第5章 法廷で覆された「殺人」の供述
第6章 捜査資料で浮かび上がってくる事実
第7章 苦渋がにじむ判決
第8章 最高裁で確定した死刑判決
著者等紹介
深笛義也[フカブエヨシナリ]
1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。10代後半から20代後半まで、現地に居住するなどして、成田空港反対闘争を支援。30代からライターになる。ノンフィクションも多数執筆している。埼玉愛犬家殺人事件に関する記事は、『女性セブン』『新潮45』に発表した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
garth
7
「その時、私が中岡に、ワッペンがあるから細かく切れ、と言うと、わかってるよ、と言っていた覚えがあります。あまりやっつけない者ほど自分のことを自慢するもので、そこで中岡は、社長、俺もけっこうやるでしょう、と言っていた覚えがあります」2017/06/09
金平糖
5
C+。2019/12/14
JunTHR
5
関根元と風間博子の娘、息子、アフリカケンネルの元従業員、中岡(手記を発表している共犯者)、さらに担当検事まで取材していて、読み応えあり。20年近く前の事件にも関わらず、というよりだからこそここまで話を聞けたのだろう。風間博子冤罪説がベースだが、なるほど確かに無茶のある判決だなと思わせる。しかし、昨年末発売の奇書『仁義の報復』に続いて、二年連続でノンフィクションが出るなんて、改めて凄い事件である。 深笛義也は『女性死刑囚』が「増補新版」なんて出していたが、風間博子に関係しているのだろうか。2017/06/12
いたち野郎
2
重大な刑事事件において、検察の追及が日本の市井では歓迎されるべきものとして見られている、というのが体感としてまずある。だが、司法は必ずしも正義が先立つは限らない。権力の確かさを示し、その力を保持することが優先される場面が多々ある。本事件は夫婦両名に死刑が宣告されたが、著者は妻が殺害に関わっていないことにほぼ確信を持っているように思われる。それは第三者である山崎の供述から導き出されるのだが、司法の監視役であるべき大手マスコミが触れたがらないところに警察との蜜月が伺える。2019/02/27
はるはる
1
冷たい熱帯魚でなんとなく知ってた事件。 まさか主犯の奥さんに冤罪疑惑があったなんて。 そして共犯の男の悪知恵さといったらなんの。 本当に冤罪だったら映画で奥さんを極悪人して世間を騙した罪は相当重いはず。2020/05/10