内容説明
なぜ桃から生まれたのか。なぜ川上から流れてきたのか。なぜ犬・猿・雉がお供をしたのか。知れば知るほどおもしろい桃太郎研究の新展開。検証の果てに見えてきた「日本昔話のふるさと」とは―。
目次
第一章 冒険の物語が始まる
第二章 川上から赤ん坊が流れてくる
第三章 浦島太郎と桃太郎
第四章 展開する桃太郎のイメージ
第五章 日本昔話の生成
第六章 桃太郎の作者はいったい誰なのか?
著者等紹介
宮川禎一[ミヤカワテイイチ]
1959年、大分県宇佐市生まれ。元京都国立博物館研究員。1978年に大分県立中津南高等学校卒業。1986年に京都大学大学院文学研究科修士修了。考古学専攻。財団法人辰馬考古資料館学芸員を経て、1995年に京都国立博物館考古室技官。2020年からは同館の特任研究員、2025年に退職。専門は東アジアの考古学。統一新羅時代の陶質土器の研究。東南アジアの銅鼓の研究。平安時代の経塚遺物の研究。あわせて坂本龍馬を含む幕末史の研究など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スプリント
6
桃太郎のベースは玄奘の西遊記だったとは。2025/07/27
ヨハネス
5
面白いんだけど分厚すぎて持ち運べず、1/3しか読めず返却。ドラマ西遊記を見ていないのでよく通じない箇所があるのが残念。玄奘(三蔵法師)の生まれ方が桃太郎に近いことから、玄奘が桃太郎の起源である説。浦島太郎説、岡山県との関連、作者を探す話へ続く。2025/08/18
狐狸窟彦兵衛
2
桃太郎が、江戸時代に西遊記を下敷きに創作された子供向けの新作?昔話だという見解は、なるほど、と頷けるものだと思いました。三蔵法師が、生まれたばかりのころに川に流され、救われたというエピソードのある噺があることも知りませんでした。最終章に入って、「推定」と「決めつけ」が多くなるのは、仕方がないかとも思いますが、「これから」の研究が楽しみです。落語にある「桃太郎」の「子供の見方」に言及がなかったのはちょっと残念でした。2025/09/10
Ryo Sogawa
1
昔話 桃太郎の起源の研究。お話に関連する要素それぞれについての過去の記述がしっかり挙げられている。2025/08/23