内容説明
「太平記は史学に益なし」―かつて、歴史家・久米邦武はこう確信した。果たして軍記は史学に何ももたらさないのか。歴史学者たちがその問題に立ち向かう。
目次
1 『平家物語』と『太平記』の世界を探る(義経生存説の展開;平資盛・貞能主従と『平家物語』;平重衡の往生と鎮魂;大庭景親と大庭景義の歴史的選択―『平家物語』『源平盛衰記』にみる中世武士の姿から;源頼朝の挙兵をめぐる諸問題 ほか)
2 軍記を拡げる(『将門記』の史実性;将門の子孫伝承と相馬氏;合戦記と「党」表現;『今昔物語集』にみえる「兵」について;『承久記』と北陸道合戦 ほか)
著者等紹介
関幸彦[セキユキヒコ]
歴史学者(日本中世史)。元日本大学文理学部教授。1952年生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位修得。学習院大学助手、文部省初等中等教育局教科書調査官、鶴見大学文学部教授を経て、2008年日本大学文理学部史学部史学科教授に就任、2023年に退任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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楽
19
24年。図書館本。内容の割には高い。書名は「太平記は史学に益なし」のパロディー。関幸彦というと『武士の誕生』(NHKブックス、99年)を思い出すが、本人は冒頭のみの登場。21人もの論集で玉石混淆だが単純な誤りが散見される。(大庭)景親を(梶原?)「景時」としていたり、「宝筐院殿」に(足利)義詮でなく「義経」とルビを振ったりしているのは致命的。文章として意味の通じない箇所、「てにをは」が誤っている、あるいは抜けている箇所もあり、執筆者一覧の最後の頁も変(乱丁ですらない)。編集者や出版社はチェックしないのかね2024/05/26