内容説明
陰陽師の仕事って?空家は鬼や小人の住処?僧侶も美男が好まれる?龍女が女性を救済する?ちょっとディープな平安時代案内。
目次
第5部 陰陽道に見る平安時代(陰陽師と空家の霊物;空家の小人たち ほか)
第6部 年中行事に見る平安時代(鯉のぼり・柏餅の起源;雛人形の由緒 ほか)
第7部 仏教に見る平安時代(平安時代の大寺院;もう一つの聖地「女人高野」 ほか)
第8部 平安時代を見る歴史研究の眼(藤原道長の人物像と『源氏物語』至上主義史観)
著者等紹介
繁田信一[シゲタシンイチ]
1968年、東京都生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士後期課程修了。現在、神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、東海大学文学部非常勤講師。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サケ太
20
上巻に続いて非常に面白い。上巻でもあった陰陽師の詳しい役割。官人陰陽師、法師陰陽師の違い。陰陽師に求められた役割。陰陽道は宗教かどうか、という話も興味深かった。陰陽師を技術者として捉えるのは新鮮。現代の年中行事はどのように形成されていったのか。ひな人形が陰陽師の人形からきているとは。平安時代の仏教、各寺の特徴も読んでて楽しい。歴史にある種の理想を託してしまうのは、研究者でもありうる。という例になりそうな藤原道長の人物像について。小右記は著者の書籍から知ったが、やはり面白い。2022/06/11
ichi
8
【図書館本】大河ドラマの予習として。下巻は陰陽道、仏教などについて。2024/02/27
りんご
3
雛人形のおおもとは、陰陽師でよく見る「人形(ひとがた)」からきてるのですね2023/02/23
チャック
1
平安時代のガイドブックでそれなりにおもしろい。手元に置き小説を読むときに見ると理解が早いかな。 最後の「平安時代を見る歴史研究の眼」が興味深い。他の歴史学者への批判もあって−−(^_^;) 私の感想、あれ程の権力を握った道長、きれいな訳ないよね。(笑)2022/05/26
wang
0
平安時代の宗教観。陰陽師の活動と仏教。当時の人はいろんな迷信とかきまりとかに縛られて大変だったんだなあ。当時の風習が、名前や形を変化して現代の年中行事に受け継がれているのも面白い。最終章は藤原道長への学会評価を軸に、一次史料などどの史料を重視するのかのランクづけへの大切さを切実に述べている。実績ある先人への苦言はなかなか言いにくいだろうに。物語は、その時代、人々への興味を引き立てる素晴らしいものだが、それを前提に真実として歴史を語るのは歴史認識を歪める。大家でも、はじめに持った印象を変えるのは難しい。2024/08/28