内容説明
公認心理師という国家資格ができ、保健医療や福祉、教育、司法、犯罪、産業・労働の分野などでのさまざまな専門職との協働や、多職種の中にあって専門性、職域の広がりなど、心理支援のあり方は変革期を迎えている。そんな中、心理専門職は、どうサイコセラピーを営む必要があるのだろうか。本書は、臨床現場のリアルを見つめながら、「密室」だけではなくなった心理臨床の世界において、セラピストが目指すべきサイコセラピーのあり方を「統合」に見出すものであり、「まなざし」「つながり」「集い」など、独自の臨床キーワードを軸に展開する。2020年代における心理療法/心理支援のあり方を問うた必読の新しい臨床理論。
目次
第1部 まなざしは移動する(まなざしの移動―眼‐移 shifting;移動を促進するアプローチ―探‐深 seeking;移動によってみえてくること―解‐察 understanding;つなげること、つながること―当‐繋 Connecting;集いチームとなる―集‐協 collaborating;どこに重きをおくのか―価‐律 evaluating)
第2部 サイコセラピーは交配する(統合的営みをとらえる―理‐築 circulating;サイコセラピーがコミュニティで展開する―地‐場 developing;クライエントに資する柔軟な営みとは?―柔‐貫 integrating)
著者等紹介
元永拓郎[モトナガタクロウ]
1963年、宮崎県生まれ、帝京大学文学部心理学科教授、帝京大学心理臨床センター長、臨床心理士・公認心理師。1991年、東京大学大学院医学系研究科保健学(精神衛生学)専攻博士課程を経て、博士(保健学)。駿台予備学校、日本外国語専門学校でのカウンセラー、帝京大学医学部精神科学教室助手、帝京大学文学部心理学科専任講師、准教授を経て、2013年から現職。日本公認心理師協会常務理事、日本公認心理師養成機関連盟理事、日本心理臨床学会理事、日本学校メンタルヘルス学会理事、日本精神衛生学会副理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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