内容説明
この本は、故小此木啓吾が提唱した「治療構造論」に新しいアイデアを盛り込み、時代に合わせて大転換を図った著者オリジナルな理論を、長年の臨床実践と多くの事例、文献をもとに詳解したものです。教条主義と誤解されることもある治療構造論を、もっと中立的な方法論として整理し直し、密室だけで終わることのなくなった心理支援を汎用的に支える基礎理論とする、リアルな現場感覚をもとに、第一線の臨床家による、公認心理師時代の新しい心理支援の方向性を見出す必読の1冊が生まれました。
目次
1 歴史的背景(治療構造論の展開)
2 実践のための治療構造論的センス(今ここにある構造を読む;「構造を処方する」という発想;構造を支える主体の変遷;構造の設定、逸脱、変更、膠着の中に心の動きを読む―今起きている相互作用を理解する手掛かりとして;クライエントと共有している現実としての構造;設定された構造からのお別れ)
著者等紹介
栗原和彦[クリハラカズヒコ]
1979年国際基督教大学大学院博士前期課程修了。1979年~1986年桜ヶ丘保養院(現桜ヶ丘記念病院)常勤心理士。1986年~1995年片山心理相談室。1995年~現在、代々木心理相談室。専攻:精神分析的心理療法、支持的心理療法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソーシャ
3
治療構造論という視点から、心理療法家としての心構えや心理療法のあり方について論じた一冊。(著者は力動派)真面目に臨床をしていると必ずつきあたる問題について、具体的な事例を交えながら考え方や対処法のヒントが書かれていて、著者もまた悩みながら臨床を行ってきたことが感じられます。治療構造というと時間の枠など堅苦しいイメージがありますが、社会的環境を含めた心理療法を成り立たせているものという広義の治療構造について論じているので、慣れてきた頃に基本を見直したい人にも最適な一冊となっています。2023/02/19
言いたい放題
0
図書館にない2023/08/11
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