内容説明
トランスという奥深い現象は、特別な場合にのみ起こるわけではなく、日常のなかにも現われている。そうしたトランスをうまく活用するセラピーは、催眠療法ばかりではなく、自律訓練法や臨床動作法、イメージ療法、フォーカシングなど数多く存在する。本書は、そうした催眠療法とその関係するアプローチを貫く「催眠トランス空間論」を通して、心理療法の職人技に迫る1冊である。多くのセラピーがマニュアルやガイドラインに沿って行われる中、微妙なクライエントの反応を感受し、治癒につなげる職人芸がある。本書には、催眠療法とその関連領域でプロフェッショナル中のプロフェッショナルとして活躍をする10人のセラピストに、その真髄を思う存分に描いてもらった。本書は、本物のプロフェッショナルを目指す臨床家に読んでもらいたいものである。
目次
1 催眠トランス空間論(序論;「催眠トランス空間論」構築への道筋;「催眠トランス空間論」に至るまで―古典的・伝統的な催眠療法実践からの発展的展開;古典的・伝統的催眠療法の臨床適用の失敗事例からの学び―催眠療法の治癒機制に関する新たな視点;「壺中の天地」と「催眠トランス空間」―壺イメージ療法との出会い ほか)
2 催眠とその関連心理療法の職人技―時空を超えた職人の技を実感する(催眠療法と壺イメージ療法―催眠から離れること、留まること;それは「『悩み方』の解決」から始まった;トランス療法と現代催眠―自然なトランスの活用と催眠トランス空間についての考察;NLPの立場より;自律訓練法の匙加減 ほか)
著者等紹介
松木繁[マツキシゲル]
1952年、熊本県生まれ京都育ち。鹿児島大学大学院臨床心理学研究科臨床心理学専攻教授、臨床心理士。鹿児島県教育委員会スクールカウンセラー、国立病院機構鹿児島医療センター嘱託心理士(診療援助)、(仁木会)ニキハーティホスピタルスーパーバイザー(熊本市)、鹿児島少年鑑別所視察委員会委員、鹿児島県発達障害者支援体制整備検討委員会委員、京都市教育委員会・地域女性会主催「温もりの電話相談」スーパーバイザー(京都市)、松木心理学研究所顧問(京都市)、日本臨床催眠学会認定臨床催眠指導者資格、日本催眠医学心理学会認定指導催眠士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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