内容説明
執筆期間、およそ1年半。看護師として働く傍ら、ひたむきに描き続けたノンフィクション256ページ。看護師になりたての頃、苦しんでいた著者に力をくれた人たちの姿を描きました。26歳現役看護師、等身大のイラストエッセイ。
目次
1 病院はヘンテコな場所―看護師の新入社員研修!
2 大石さんが教えてくれたこと―患者さんの前で泣くのはプロ失格か
3 種田先生が教えてくれたこと―「だから私も、腕を磨くしかない」
4 あかりちゃんが教えてくれたこと―同期と過ごす日常
5 きよさんが教えてくれたこと 前編―きよさんってこんな人
6 きよさんが教えてくれたこと 後編
著者等紹介
仲本りさ[ナカモトリサ]
1991年生まれ。大阪府出身。神戸大学保健学科を卒業後、看護師として働きながら絵日記を執筆。病院での出来事や自身の看護観を絵と言葉で表現、発信するinstagramでは3万人以上のフォロワーをもつ。アメブロ公式トップブロガーとしても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
92
久しぶりに再読しました。前回読んだのが6年前だったのを読メの記録で知りました。1年目のナースの実際に経験したことを、自身がイラストを描いてストーリーに仕立てたもの。年月が過ぎても変わらないことは、病院に入院する患者と医療者との関係です。きよさんと病院の窓から眺めた空と海と山と街の景色は、きよさんが亡くなっても彼女の胸に残るのです。たくさんの患者さんとの出会いのなかで、あたりまえのことのありがたさに気がつけるのです。「私、看護師になってよかった。」って言えるのは、新人の頃でなく何年か経ってからなのだと思う。2024/05/28
たいぱぱ
72
泣いた。泣きながらも強さを胸に前向きになれた気分です。コミックエッセイとしては最高の一冊で、本年度ベスト候補。看護師になりたいと願う娘がいるので、本屋さんでこの本が目に留まりました。「患者の前で泣くのは、看護師失格か?」「病気ではなく、人として関わる」。仲本さんが看護師になって1、2年の実体験が、僕らにも大事な何かを教えてくれます。娘の為に買いましたが、読んだあとどんな気持ちになるでしょう。娘の感想が楽しみです。そしてこの本がたくさんの人に届くように願います。2018/11/11
seacalf
67
これほど親しみやすくて、がっつり重たいテーマの死や生についても考えさせてくれて、悩める社会人(いや、社会人に限らず全ての人)に勇気を奮い起たせてくれる本は非常に稀だ。病院が大の苦手な自分にとって、きびきびと働き明るく挨拶をしてくださる看護士さん達は、まさに神々しい存在。その看護士さんの新米時代の初々しい奮闘記を優しいタッチのイラストエッセイで読むことができる。悩み戸惑う気持ちもてらいなく等身大の姿ありのままに、とても丁寧に再現して描いてくれているので非常に親近感が持てる。万人におすすめの元気をくれる本。2019/04/07
じょんじょん
65
自分の母親を自宅介護5年、施設介護5年、母は後半の5年に4回の入院をしました。そのなかで、看護師さんには本当にお世話になりました。最初の入院のときは、緊急搬送されての入院だったので、気も動転しているうえに、手続きのお作法もわからず当惑している自分をフォローしてくれた看護師さん、まさに天使にみえました。仲本さんのイラストエッセイで、そのときのこと思い出しました。仲本さんの柔らかなとても癒されるイラストで、新人看護師だった仲本さんの体験と心情がリアルに浮かびます。最期のお別れの話は涙が溢れてしまいました。2018/09/26
ぶんこ
62
イラストも文も優しくて癒される本なのですが、自分の入院経験とこれからの入院手術を思って不安になってしまいました。生死に関わる手術ではないのに、いざとなると何が起こるかわからないし。4人部屋で看護師さんたちを専属のお手伝いさんのごとくこき使う患者さんを何人もみてきました。よく我慢しているなとを思っていましたが、やっぱり看護師さんだって勘弁してと言いたくなりますよね。尊敬している看護師さんと朝焼けをみた感動を思い出しました。医師、看護師と病院の方々には感謝しかありません。2018/09/19